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想定外ノ夜想曲 ページ26

×××


ドライブしない? ____


坂口は太宰を助手席に乗せ、ヨコハマの街を車で走っていた。
信号待ちの時、坂口は付箋がビッシリと貼られた手帳の中を確認している。助手席のシートを下げて遊ぶ太宰を横目に入れ、彼は溜息を吐いた。


「成程、北米異能組織 『組合』 の暗躍ですか......」

「そ、異能組織犯罪を取り締まるのが 特務課の御役目でしょう? 職務怠慢は善くないなぁ」


先刻Aにも、似た様な科白を云った。太宰は車のシートを下げた後、両腕を頭の後ろに組んで快適そうに伸び伸びと寛いでいる。


「.........」


太宰の科白に対し、坂口の方は無言だった。徹夜明けで薄っすらと隈が出来ている()は、目の前にある赤信号を見詰めている。

信号がパッと青に変わった瞬間、車は発進する。暫くの間、沈黙を車内が支配していたが、(やが)て其れは破られた。
坂口は静かに口を開く。


「組合の行動は我々も把握しています」

「......! 知ってて......放置してたって事かな?」

「太宰君と違って、僕は勤労の徒ですから。 (そもそ)も 太宰君は組合が如何なる組織か、ご存知ですか?」


“ 秘密結社 ”

組合の構成員は(おのおの)が表の顔を持ち、政府・大企業の要職にある者も名を連ねている。
その影響力は、北米は疎か本邦中枢にまで強力に食い込んでいるのだ。
坂口の説明は淡々としているが、全て事実である。

説明を聞き終えた太宰の方は、話の流れが段々と怪しくなってきた事に気づいた。
嫌な予感がした彼は、一筋の冷や汗をかく。


「おいおい......頼むよ、話の流れが怪しくなってきたじゃないか」

政治(・・)ですよ、太宰君」


表情を僅かに曇らせた坂口は、ポツリポツリと自分達が把握している事を話し出す。


「連中は外交筋から圧力を掛け、構成員に外交官同等の権限を賦与させました」


詰まり、彼等は法の外の存在。
法執行期間は組合を勾留する事すらも、出来ないのだ。


「我々特務課も、他庁との権力均衡(パワーバランス)の中で身動きが取れません。この会合も、恐らく連中の監視下です」


不意に車は停車する。
坂口は先程とは打って変わり、真剣な表情に変わった。


「太宰君 逃げて下さい、今直ぐ。そして伝えて下さい......貴方の部下に危険が____」


太宰は坂口の科白を、最後迄聞く事が出来なかった。




ゴシャアッ


×××

琥珀ノ瞳ハ何ヲ映ス→←法ニ従イ縛ラレル者



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設定タグ:太宰治 , 文豪ストレイドッグス , 恋愛   
作品ジャンル:アニメ
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ミサぽん(プロフ) - 夜宵 ―ヤヨイ―さん» 有難うございます!コメント、本当に嬉しいです。続編も頑張りますっ (2019年7月17日 23時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
夜宵 ―ヤヨイ― - 第二シリーズお疲れさまでした(拍手) 続編も心待ちしております、ミサぽんさんのペースでこれからもよろしくお願いします。 (2019年7月17日 23時) (レス) id: 03eb66dcd7 (このIDを非表示/違反報告)
ミサぽん(プロフ) - 夜宵 ―ヤヨイ―さん» コメント有難うございます、何回もしてくださり 本当に嬉しいです! 楽しんでもらえるよう 頑張りますっ (2019年6月16日 16時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
夜宵 ―ヤヨイ― - 早速の続編!ありがとうございます!!(感涙) (2019年6月16日 16時) (レス) id: 03eb66dcd7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミサぽん | 作成日時:2019年6月16日 15時

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