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法ニ従イ縛ラレル者 ページ25

×××


通話を終えた太宰は、端末を外套(コート)のポケットに仕舞う。中島と(コンビ)で行動を共にしていたのだが、今は単独で動いていた。
彼が居る場所は駐車場。
Aに連絡を入れる前に、或る人物(・・・・)を呼び出したのだ。

ポートマフィアがQと云う刺客を放った以上、策の善し悪しに拘っている場合では無くなった。太宰の頭の中には、戦争の状況を此方側に有利に持って行く為の策は三百程有る。
だが、状況が状況だ。一番(エグ)い鬼札を切る事になった。


「____ 却説(さて)、そろそろかな」


金網のフェンスに凭れ掛かり、ポツリと呟く。その時だ。

ブロロロロ... キキッ

一台の車が駐車場に停められた。ドアが開けられ、車内から数人の人物が降りて来る。其の内の一人は、太宰の姿を見ると彼に向かって声を掛けた。


「何年振りですかねぇ 太宰君。連絡を貰った時は驚きましたよ」

「やあ 安吾! 元気そうじゃあないか!」


太宰が呼び出した人物は、坂口 安吾だった。ぱあっと表情を明るくし、両腕を広げた太宰。親しげに坂口の名を呼ぶと、スタスタと側に歩み寄り再会の抱擁を交わす____様に見えた。

ジャキッ......

背後に回った太宰が坂口に向けたモノは、銃口だった。坂口が着ていたスーツの上着の下に入っていたモノを、抱擁を交わすと見せ掛けて瞬時に奪ったのである。
其の距離は数(センチ)も無い。ピッタリと頭に中てられていた。
太宰の鳶色の瞳が、暗く染まる。


「善く来たねぇ、安吾。如何して思ったんだい? 私が君をもう許していると(・・・・・・・・・・・)......」


口調は普段と変わらず、飄々としている。
だが彼の瞳には、目の前にいる坂口に対する憎しみの焔が静かに揺れていた。
そんな太宰に坂口は臆する事は無く、寧ろ淡々とした態度でいる。


「マフィアを抜けた貴方の経歴を洗浄したのは僕ですよ。 借りがあるのは、貴方の方では?」


銃口を向けた太宰に対し、坂口と共に車から降りてきた二名の人物は、其々彼に対して武器を向けている。坂口を若し此処で撃とうなら、引き金を引いた瞬間に、太宰もあの世逝きだ。


「判ったよ」


大人しく銃を下ろし、溜息を吐いた。


「どうせ、こうなることを予期して弾を込めてないんだろう?」

「ご理解が早くて助かります」


にっこりと爽やかな笑顔の坂口。太宰は彼に銃を返却した。


×××

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設定タグ:太宰治 , 文豪ストレイドッグス , 恋愛   
作品ジャンル:アニメ
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ミサぽん(プロフ) - 夜宵 ―ヤヨイ―さん» 有難うございます!コメント、本当に嬉しいです。続編も頑張りますっ (2019年7月17日 23時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
夜宵 ―ヤヨイ― - 第二シリーズお疲れさまでした(拍手) 続編も心待ちしております、ミサぽんさんのペースでこれからもよろしくお願いします。 (2019年7月17日 23時) (レス) id: 03eb66dcd7 (このIDを非表示/違反報告)
ミサぽん(プロフ) - 夜宵 ―ヤヨイ―さん» コメント有難うございます、何回もしてくださり 本当に嬉しいです! 楽しんでもらえるよう 頑張りますっ (2019年6月16日 16時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
夜宵 ―ヤヨイ― - 早速の続編!ありがとうございます!!(感涙) (2019年6月16日 16時) (レス) id: 03eb66dcd7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミサぽん | 作成日時:2019年6月16日 15時

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