検索窓
今日:20 hit、昨日:0 hit、合計:100,866 hit

狂想曲ハ鳴リ止マナイ ページ24

×××


「......マフィアの方も、徹底的に遣る気なんですね」


私は壁に背中を凭れ掛かり、頭を抱えてしまう。彼の人が其処まですると云うのは、探偵社も組合も徹底的に潰す気でいるからだ。
全面戦争___ 多くの血が流れる光景が想像出来る。


『君だって、“ Q ”の異能を知らない訳じゃあ無いだろう?』


“ Q ”とは、其の人物を指す呼び名だ。
本名は『夢野 久作』、齢十三になるポートマフィアの構成員。見た目は普通の子供と殆ど変わらないが、所持している能力が恐ろしい程に強力な異能なのだ。

異能の中でも、最も忌み嫌われる“ 精神操作 ”がQの能力。其の異能の所為で、今迄何人の人間が死に追いやられたかは数え切れない。
だから当時、ポートマフィアに在籍していた太宰達の手により、座敷牢に封印された。私はそう記憶している。


「......はぁ」

『おやおや?溜息を吐くと、幸せが逃げるよ?』

「溜息の原因が何を云いますか」


私の溜息の原因は、八割が彼だ。残りの二割は仕事によるもの、彼は「非道くない!?」なんて、心外だと云う様に電話越しに、わーわーと抗議をして来るのだが、私は敢えて無視(スルー)する事にした。


「.........判りました。Qが放たれたと聞いたら話は別です、力は貸しましょう」

『流石はAちゃん、話が判るねぇ』


彼の中の台本(シナリオ)では、最初から私が力を貸すという内容だったのだろう。
若し、私が断ったとしてもQの他に協力させる為の策は練っていた筈だ。詰まり、通話に出てしまった時点で私は彼の策に見事、嵌められたのである。

私は「作戦がある楢ば、さっさと話してくれません?」と、彼に云う。若干刺々しい口調になってしまったのだが、彼は特に気にする様な素振りを見せず、「はーい」なんて呑気に返事をした。


Q___ 夢野 久作

___能力名
『ドグラ・マグラ』


それは幻覚に精神を冒され、周囲を無差別に襲ってしまう。『(のろ)い』とも呼ばれていて、発動させる契機はQの所持している不気味な人形が破壊される事だ。
太宰の口から話される作戦を聞き乍、私は自分の中に有る忌まわしい記憶を思い出し、表情を曇らせた。


×××

法ニ従イ縛ラレル者→←鬼札 切札 捨札



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (110 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
392人がお気に入り
設定タグ:太宰治 , 文豪ストレイドッグス , 恋愛   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ミサぽん(プロフ) - 夜宵 ―ヤヨイ―さん» 有難うございます!コメント、本当に嬉しいです。続編も頑張りますっ (2019年7月17日 23時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
夜宵 ―ヤヨイ― - 第二シリーズお疲れさまでした(拍手) 続編も心待ちしております、ミサぽんさんのペースでこれからもよろしくお願いします。 (2019年7月17日 23時) (レス) id: 03eb66dcd7 (このIDを非表示/違反報告)
ミサぽん(プロフ) - 夜宵 ―ヤヨイ―さん» コメント有難うございます、何回もしてくださり 本当に嬉しいです! 楽しんでもらえるよう 頑張りますっ (2019年6月16日 16時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
夜宵 ―ヤヨイ― - 早速の続編!ありがとうございます!!(感涙) (2019年6月16日 16時) (レス) id: 03eb66dcd7 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ミサぽん | 作成日時:2019年6月16日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。