裏ト表ノ二重奏 ページ22
×××
内務省 異能特務課
「......漸く終わった」
ドクンッ...
心臓が一度、大きく跳ね上がる。自分の中に、何かが戻って来るような感覚が身体を襲って来れば、私は自分の胸を押さえた。
苦しいのは僅か一瞬、其れを通り越したら後は楽なモノだ。頭の中に流れ込んで来る情報を、整理するだけで終わるのだから。
「今回は長かった......」
流れ込んで来る情報の多さに、頭が少々痛くなってしまったのだが、これだけの情報を一気に収穫する事が出来たのは中々善い業績に繋がると思う。
今夜は自分への御褒美と称して、何か贈呈品を
「書類は提出しましたか?」なんて、私が今一番聞きたくない人物の声が聞こえてきた。
「幻聴でしょうか?」
「現実です。何ですか 未だ徹夜四日目でしょう」
内務省 異能特務課
参事官補佐
坂口 安吾
__ 能力名
『堕落論』
先輩でも有り、上司でもある坂口さんは仕事に関しては鬼みたいな人物だ。一週間の徹夜は当たり前で、何時眠っているのかと少々心配になってしまう。(今日も目の下の隈が酷い。)
彼は迚優秀で、四年前にはポートマフィアの専属情報員として潜入し、動向を監視すると云った情報収集と分析が得意なのだ。
「それで、話を戻しますが......」
「書類は終わりましたが、これから また新しく資料を作成しないといけません」
相手より先に答える。
坂口さんは、私の様子を見たら「判りました 明日までに終わらせて下さい」なんて、無茶振りな要求をして来た。
私は思わず、「鬼......」と、本音を呟いてしまう。慌てて口を抑えたのだが遅かった。坂口さんは
「すみませんでした......」
「判れば宜しい 僕だって、未だ仕事は残っています... 早く終わりたいのは貴女だけでは有りません。速やかに終わらせて下さい」
そう言い終わると、彼は踵を返して自身の仕事を片付ける為に戻って行った＿＿＿かと思いきや、不意に歩みを止め、此方を振り向いた。
「嗚呼、そうそう」と、思い出したかの様にポツリと呟く。
「今回頼みました極秘調査の件、先刻終わった様ですね。お疲れ様でした」
「......仕事ですから」
労いの言葉が素っ気ない。
×××
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ミサぽん(プロフ) - 夜宵 ―ﾔﾖｲ―さん» 有難うございます！コメント、本当に嬉しいです。続編も頑張りますっ (2019年7月17日 23時) (
レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
夜宵 ―ﾔﾖｲ― - 第二シリーズお疲れさまでした(拍手) 続編も心待ちしております、ミサぽんさんのペースでこれからもよろしくお願いします。 (2019年7月17日 23時) (レス) id: 03eb66dcd7 (このIDを非表示/違反報告)
ミサぽん(プロフ) - 夜宵 ―ﾔﾖｲ―さん» コメント有難うございます、何回もしてくださり 本当に嬉しいです！ 楽しんでもらえるよう 頑張りますっ (2019年6月16日 16時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
夜宵 ―ﾔﾖｲ― - 早速の続編！ありがとうございます！！(感涙) (2019年6月16日 16時) (レス) id: 03eb66dcd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミサぽん | 作成日時：2019年6月16日 15時
