14日目 ページ14
ドクンっと心臓が音を鳴らす。
確信なんてない。
先輩がどこを見てるのかも
何となくわかってしまった。
先輩が私に教えてくれた好みが一致してる人がそこには居て男の人と手を繋いでる。
私達の視線に気づいたのか目が合った。
距離があるからなんて言ったか聞こえるわけがないけれど…多分動いた口からは"蘭"という言葉が発せられたような気がした。
そのまま走ってくる綺麗な女性。
「蘭っ!!」
私の声に全く反応しなかった先輩がピクっと動き出した。
「🌸さん…」
「久しぶりっ!最近会わないから寂しかったよ?
ところで…お隣の方は、もしかして彼女さん!?」
急に先輩にバッと手を離された。
「んや、ちょっとした知り合い」
ガツンと頭を殴られた気がした。
私の事をチラリとも見ないで告げた先輩。
さっきまで私のことを彼女と呼んでくれたはずなのに。
「あ、そうだったの…」
「🌸さん、さっき隣に居た人は…?」
「私の彼氏!
もうすぐ付き合って4年になるの!」
嬉しそうに話す🌸さんと呼ばれる女性はとても綺麗な方だった。
先輩の表情を見て全て察してしまった。
今までのことも、先輩の気持ちも。
今の私も先輩もとても惨めで居ても経ってもいられなかった。
『あっ…先輩、私今日は用事があったので帰りますね!
先輩の顔なんて見れもしないまま泣きそうな顔を見られないように顔を隠した。
🌸さんを見ないまま少し頭を下げた後来た道を戻っていく。
私を引き止める先輩の声は無かった。
歩くスピードがどんどん早くなって走り出す。
一刻も早くあの場を離れたくてとりあえずひたすらに走った。
もう涙を堪えることなんて出来なくて道行く人が私を驚いた顔や訝しげな顔で見ていく。
そんなのも気にならないくらい今の私はあの場から少しでも遠くへ行くことで必死だった。
ねぇ…先輩。
あの日私に好みを教えてくれた時貴方は誰を考えていましたか?
時々どこか私じゃない遠くを見ているのは誰を見ていたんですか?
私の事彼女って言ったのにあの人の前ではそう言ってくれなかったのはどうしてですか?
どうして…私に好きをくれないんですか?
聞きたいことは山ほどあるのに多分きっとどれも聞けないんだろう。
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7℃(プロフ) - ありやけさんさん» え、本当ですか…では頑張って更新します、、 (2021年11月12日 20時) (レス) id: a3f6717434 (このIDを非表示/違反報告)
ありやけさん(プロフ) - すきすぎる… (2021年11月6日 21時) (レス) @page15 id: 5965475948 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:7℃ | 作成日時:2021年10月14日 8時