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Your side
息を切らしている優斗を見て、安心感が込み上げてくるのがわかった。
優斗がいれば大丈夫。
そう思った反面、大輝くんのかっこよさにハマってしまいそうな自分もいて。
頭ポンポンは強いよなあって密かに感心。
気付いたら大輝くんのことをぼーっと眺めていたみたいで、ぐいっと引かれた腕にはっと我に返った。
『A』
「…優斗？」
そんな怖い顔してどうしたの？とは言えなかった。
なんとなく、そんな雰囲気。
多分無意識なのだろう、優斗はなんでもなさそうにわたしの手を引いた。
『花火始まっちゃうっぽい、見に行こ！』
「え、うそ！それは良くない！！」
『だろ？あ、待って歩ける？』
あーー。そういうとこ。
はしゃいでる笑顔からの覗き込んでくる心配そうな顔。
綺麗な顔を独り占めしてる、なんて思うのはさすがにやばそうだけど。
既に手遅れだからいっかな、とか。
「ん、全然へーき！」
『おっしゃ、じゃ行くか！』
「ね、優斗？」
『ん？』
「さっきみたいにはぐれちゃったら嫌だからさ」
クイ、と優斗の服の裾を引っ張る。
「手、繋いでおきたいな、とか、へへ」
照れ隠しの笑い声は、少し遠くから聞こえるお祭りの喧騒に溶けていった。
口を押さえた優斗はわたしの手を優しく攫ってキュ、と握ってくる。
浮かれるのは今だけにするから。
ちゃんと現実も見るから。
だから今日くらい。
夏祭りマジックがあってもいいよね。
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作者名：まれぴゅま
x他3人 | 作成日時：2020年6月28日 1時
