Final Session: 水戸部凜之助 「発話障害の僕」 ページ32
先生は僕を抱きしめていた。
貴 「辛かったのね…」
水 「…」気付いてたら涙が瞳から一滴ずつ零れ落ちていた。
貴 「それで水戸部君その後まもなく引越したのよね。
その子…勘だけど大丈夫だと思うわ。
だって」
僕の心臓に先生の手が触れる。
貴 「貴方達、何かで結ばれてる気がする。暖かい、大切な何かに。」
水 ((コクッ (そう…だ)
しぃちゃんの名前…知りたい。
水 『その事件の事、調べられますか?』
貴 「いいわよ。今、やりましょ?」
先生と二人でパソコンに向き合う。
相当昔の出来事だが、改めてインターネットに感謝する。
割と早く事件の記事が見つかった。
そして…
しぃちゃんは…生きてる。
記事にはしぃちゃん、神埼詩織は生きてると書いてある。
生きてる。
また、会いたい。
また、話したい。
だから、僕は今から、この声を使う練習をするんだ。
水 「…A…さん」
久しぶりに聞く自分の声。ずっと使用してないから少し掠れている。
けど、先生は満面な笑顔だった。
貴 「水戸部君、綺麗な声だよ。
それを、見つけたら、しぃちゃんに聞かせてね」
小さいけど、僕にとっての第一歩。
僕のこの声で、今度こそ彼女、しぃちゃんに届かせるんだ。
貴 「水戸部君、彼女が見つかるといいね。私も協力する!」
この先生には感謝しきれない。
僕の事をこんなにも支え続けて…
僕の声が初めて届いた、大切な人。
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∞エイターレンジャー∞(プロフ) - 最高でした。 すごく感動して、涙が出ました。 素敵な作品を、ありがとうございます。 (2015年10月21日 23時) (レス) id: b7598b581d (このIDを非表示/違反報告)
火風(プロフ) - あの、ひとつだけ質問いいですか?水戸部君の話は少し「霧雨が降る森」をイメージしてるんですか?あ、違っていたらごめんなさい。長々と失礼しました。 (2015年1月3日 0時) (レス) id: bf95e01698 (このIDを非表示/違反報告)
遊(プロフ) - 読んでいて何処か心暖まる作品でした!精神病と聞くとちょっと重いイメージですが、見事な感動物語になっていて素晴らしいと思います!リクエストで、赤司と今吉をお願いしますm(__)m (2014年9月16日 23時) (レス) id: 9bb42d4f91 (このIDを非表示/違反報告)
凜ノ宮アリア - この作品すごく面白かったです!!話読んでて泣きそうになりました!! (2014年7月13日 15時) (レス) id: ab3b9fde5b (このIDを非表示/違反報告)
矢城 莉緒 - この作品大好きなんです! 社会人っていうところもいいですね 個人的に日向先輩が好きなのでぜひ作って欲しいです!! 楽しみに待ってます (2014年6月21日 22時) (レス) id: ca3a7a9da1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:真理リン | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Marilin/
作成日時:2014年4月21日 16時