Session 3:森山由孝 「愛着障害の俺」 ページ11
母親は俺の事が嫌いだった。
理由は…父親に愛されていた俺に対しての嫉妬。
自分の息子に嫉妬するって少々狂ってるかもしれない。
でも、虐待はされなかった。それはある意味救いだったかもしれない。
逆に…無視された。空気その物になったかのように俺の存在を承認しなくなった。
父親が来る時はとても楽しかった。母親はその時父親にベッタリで、俺の存在を認めてた。
でも父親が帰ってくるのは夜遅く、そして仕事柄出張する事が多かった。
俺は無視されたくなかった。
小さい頃から自分で洗濯、料理、いろいろ学んだ。
母親がしなかったから。
成績もよかった。スポーツもやった。
いっぱい話しかけた。いっぱい「お母さん大好き」って言った。
すべて母親に認識されるため。
でも
森 「一回も…されなかった。」
俺が中学の頃だった、学校から家に帰ってきた時、吃驚した。
家の中には何一つ物がなかったから…一通の手紙を除いて。
内容は簡単だった:親は仕事関係で外国へ住む事に。俺は日本に残ると。
それ以来、俺は親に会っていない。中高時代は父親の援助で通った。
大学は奨学金で。
母親から今でも何も言われた事ない。
話し終え、俺は俯き続けた。
Aさんはどういう顔をしてるんだろう。俺のこんな過去聞いて、どう思ってるんだろう。
((ギュ
手が握られる。俺より小さい綺麗な手。
貴 「寂しかったのね森山君。よく、頑張ったね。
私は貴方のお母さんにはなれないけど…
貴方はここに存在してる。私も前にいる。
大事な存在だよ」
顔を上げると天使の様な優しい顔をしていた。
堰堤が壊されたかの様に俺は再びAさんの前で泣いた。
それをそっと支えてくれる先生。
俺の初めて認識してくれた人。
君は、俺の人生で掛け替えのない存在である。
そう悟った。
精神科医追加→←Session 3:森山由孝 「愛着障害の俺」
316人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「黒子のバスケ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
∞エイターレンジャー∞(プロフ) - 最高でした。 すごく感動して、涙が出ました。 素敵な作品を、ありがとうございます。 (2015年10月21日 23時) (レス) id: b7598b581d (このIDを非表示/違反報告)
火風(プロフ) - あの、ひとつだけ質問いいですか?水戸部君の話は少し「霧雨が降る森」をイメージしてるんですか?あ、違っていたらごめんなさい。長々と失礼しました。 (2015年1月3日 0時) (レス) id: bf95e01698 (このIDを非表示/違反報告)
遊(プロフ) - 読んでいて何処か心暖まる作品でした!精神病と聞くとちょっと重いイメージですが、見事な感動物語になっていて素晴らしいと思います!リクエストで、赤司と今吉をお願いしますm(__)m (2014年9月16日 23時) (レス) id: 9bb42d4f91 (このIDを非表示/違反報告)
凜ノ宮アリア - この作品すごく面白かったです!!話読んでて泣きそうになりました!! (2014年7月13日 15時) (レス) id: ab3b9fde5b (このIDを非表示/違反報告)
矢城 莉緒 - この作品大好きなんです! 社会人っていうところもいいですね 個人的に日向先輩が好きなのでぜひ作って欲しいです!! 楽しみに待ってます (2014年6月21日 22時) (レス) id: ca3a7a9da1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:真理リン | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Marilin/
作成日時:2014年4月21日 16時