婚約者から愛される方法【五条悟】

悟side ページ24

硝子「夏油を好きになってたら如何なってたのかなって質問してきたけど」




悟「だから？」




硝子「しかも、もの呆けて
夏油の名前も呼んでた」




悟「…あっそ」




泣かせたあの日から随分変わったことがある。
あまり家に帰ってこなくなった。



硝子「やらかした男の顔」



悟「なんもしてない」



硝子「愛想つかされたんじゃない？」



嫌悪感を抱いてたやつを愛おしいと思う様になるには時間がかかる。
特に俺はあいつに対して素直じゃないし、如何しても不意に苛立ってくる。



悟「それでもいい、その方がいい」





簡単に「お前のことを愛します」とはいかない。
だって俺は志乃ことを愛してたから。
妹の…しかも嫌いだった方を愛する事をできるはずない。




硝子「拗れてんな」




悟「そういうもんだろ」





優しく、丁寧に接する。
確かに愛そうとしてた。




【だいすき】




そう言って泣くあいつを見ると…





悟「久しぶり、」




硝子「はい、薬ー」




貴方「お久しぶりです、お二人とも」





酷く苛立って、重くて。
触れたくねー、無理だって思ってしまった。




硝子「うわ、なんだこの赤ん坊可愛いー」




貴方「えぇ、志乃姉様の子です。
とてもお可愛いでしょ？」



硝子「もしかして…それで帰ってないの？」




貴方「はい、夜分に泣いてしまいますので」




志乃に会いたいな。
本当…こいつだけは好きになれないとか？
ありえそー




「A様」



貴方「はい」



「お客様顔見えです」



貴方「お伺いするとお伝え下さい」




そう言えば1回も目があってない。
くま、酷。




硝子「死なない程度にね」




貴方「はい、
では失礼します」




雅に頭を下げて俺達に背中を向けて廊下を歩く。




硝子「あれは…」




悟「なに」




硝子「いや別に」





胸騒ぎが…する。

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