婚約者から愛される方法【五条悟】

愚か ページ23

貴方「…傑」




傑「し……バレたら大騒ぎでしょ」




神社の庭で休んでたら、とんでもないお客様が来た。
何年ぶり？



貴方「結界張りましたよ」



傑「相変わらず、無防備」



貴方「傑は私には勝てないので」




絶対的に殺らせないという顔をしなきゃ。
舐められたら終わり。
例え…元友人でも。




傑「仕事モード？」



貴方「依頼だと思って」



傑「まさか…
ただ君が元気にしてるかこの目で確かめたかっただけだよ」




そう言ってから笑いする。




貴方「悟くんと結婚してないよ」



傑「知ってるよ」



貴方「からかいに来たの？」



傑「今からでも乗り換える？」



貴方「悟くんしか…愛せないから」



虚しいね。
どんなに想っても、叶わないのに。




貴方「虚しいね」




傑「押して駄目なら引けば？」




貴方「アハハ、やってみようかな」




傑「私の事が好きとか抜かせば、

焦るかもね」




貴方「それはいいかも…今度言ってみる」




もしこの人がこっち側だったら良かったのに。




貴方「守り神の御加護を望みますか？」




傑「まさか」




貴方「そう…」




あの時私がもっと力があれば、救えたかもしれない。
なんて…愚問かな。




傑「そろそろいくよ」




貴方「うん」




次会うときは平和ではいられない。
花畑ではなく荒地のように枯れ果てた所で会うと思う。




貴方「傑」




傑「ん？」




貴方「…気をつけて」




優しく微笑んで、私の頭を撫でていう。





傑「君は愚かだよ…
こんな私にそんな台詞を吐くんだから」




風の如く去ってしまう傑。
私は結界を解いて呆けてしまう。




「A様、浄めのお時間です」




貴方「はい」




私が傑を好きだったら…どうなってたんだろ。

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