47度目のアーッ♂危機 ページ47
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『そうだ…誰もいないんだった…はぁ、』
誰もいないから家の中は静まり返っている。すぐ自分の部屋に行って、ヒート抑制剤と一緒に入っている注射器を取り出す。安心してください、ヤク中では無いです。これも立派な抑制剤です。
静脈を際立たせて、つぷ、と皮膚を刺し抑制剤を注射して、すぐに患部にテープを貼って注射器をゴミ箱に捨てればベッドに倒れ込んだ。
『あああもう……感覚やべえ…こわ…』
数十分前、自分の手が握らされていたモノと自分のモノを握られていた感覚が中々頭に染み付いて仕方ない。もう完全に俺はこの世界に侵されているな、と渋々認めざるを得ない。
腹の中でぐるぐる熱を感じてて、抜いた方がいいかと悶々と迷っていると電話の着信音が鳴り響く。振動が伝わってくる携帯をポケットからだして誰からの着信か見れば、それはマイキーだった。出ないとあとからめんどくさいから仕方なく出る。
《鬼ちゃん明日ガッコー行く?行っても行かなくても俺ちょっと行きたいとこあるからつきあってくんない?まあ拒否権ないんだけどさ、…聞いてる?なんか息荒くね?》
『…んー、別にいつもと変わんねーよ』
《鬼ちゃん今家行っていい?》
変に察し良いの腹立つな〜、でも今来るのは絶対嫌だ。相手が面倒臭い。今なら簡単に折れそうだから。
『ンなこといっつも聞かねーだろ、じゃあ絶対来るな』
《やだ行く》
『うるせぇ来んな』
《日和ってんのか》
『おい笑わせんなや』
電話してる間に外からバブの音がした。マイキーの野郎最初っからウチ来る気で居たな。嫌だなぁ、玄関のドア開けるまで絶対帰らねーだろうな。今だけ変な飲みもんのせいで馬鹿みたいに酷いヒートになってるから会いたくない。襲われる。
《鬼ちゃん家入れて、部屋にいんだろ》
『やだ』
《なんで》
『いやだから』
《たいやき買ってきたから食べようよ、冷えちゃうから》
『んじゃ早く帰ってくれよ…』
《ねえ、》
どーしたのA、と落ち着いた声色で言われるもんだからちょっとドキッとした。多分これはあの違います。イケボに胸きゅんではありません。はぁぁ、とでっかい溜め息を吐いて、携帯を耳にあてたまま気付かれないように階段をおりていけば、玄関のドアのすりガラスにはマフラーと白い上着を身につけた奴がそこに座っているのがよく見えた。
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る ー あ ー - 更新待ってます! (1月5日 8時) (レス) id: d59f1a159a (このIDを非表示/違反報告)
比嘉槐 - お久しぶりです!相変わらず主人公君が面白いですw春ちゃんとムーチョがシレッと「残党です」って言うとこ好きです(o^^o)頑張ってください!! (12月1日 20時) (レス) @page47 id: 0ffcd0578b (このIDを非表示/違反報告)
一尺八寸一犀 - わぁぁ…エロいですね…でも、好きな作品です///個人的に春ちゃんと灰谷兄弟が大好きなので主人公君と絡ませてもらえるととッッッても嬉しいです。大喜びします(私が)!!更新楽しみにお待ちしております!これからも頑張ってください! (8月19日 22時) (レス) @page47 id: 58171344cf (このIDを非表示/違反報告)
達也くん(プロフ) - 更新楽しみに待ってます!! (2022年9月11日 23時) (レス) id: 70e33fb4f2 (このIDを非表示/違反報告)
アイアム陰キャ - 初めまして!いつも読ませていただいています!面白いです!更新頑張って下さいね‼︎! (2022年1月15日 17時) (レス) id: 7001d6b560 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:愛之助 | 作成日時:2021年10月1日 7時