廿陸 ページ27
.
「ごめんください。」
そう声をかけると少年が庭からホウキを手に出てきた。
「煉獄さん、、、」
そっくりだった。
「鬼殺隊の方ですか。兄がお世話になりました。」
行儀よく、悲しそうに腰を曲げた弟らしき子。
いてもたってもいられなくなって抱きしめた。
「えっ?」
彼の口から言葉が漏れる。
私は震える声で
「ごめんなさい。お兄さんのこと、、。」
きつく、きつく抱きしめる。
抱きしめた小さな肩が震え出した。
ぁぁ。家族を泣かせてしまった。悲しませてしまった。
…
「先ほどはすみませんでした。」
目を赤くしたその子は私を中へ入れてくれた。
それからたくさんお兄さん、煉獄さんの話を聞いた。
本当に心が綺麗でたくましい人だと話を聞いて改めて思う。
「今日はすみませんでした。ありがとうございました。」
私が深くあたまを下げると
「これ、、。」
煉獄さんの羽織りの一部を渡される。
「よかったら持っていてください。」
「私は絶対にお兄さんを忘れません。」
受け取って礼をしてその場を去る。
握り締めたその布を見て
もう、命を落とさせない。
そう決めた。
煉獄さんがしてくれたように命を捨ててでも人を、人間を守ろう。
130人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あずき。(プロフ) - つばきさん» ありがとうございます!! (2019年11月8日 19時) (レス) id: 649f8509af (このIDを非表示/違反報告)
つばき - 面白い! (2019年11月7日 7時) (レス) id: 7c96c23d45 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あずき。 | 作成日時:2019年11月4日 19時