一手とは。 ページ35
No side
病室に無機質な機械音とAの呼吸が響く。
Aは未だ目が覚めず、瞳は固く閉じられていた。
ガラリと戸が開き、男が入ってきた。
足音を余り立てずにAの寝台へ近づく。
静かに見下ろした後、ゆっくりと手を伸ばした。
『寝込みを…襲おうとする、なんて、野暮な事……するねぇ…』
点滴の管がある手に手首を掴まれた。
同時に発せられた吐息混じりの声。
固く閉ざされていた筈の深い金色の瞳は男を映していた。
国木田と別れた太宰は歩きながら携帯の釦を押す。
耳に当てると呼び出し音がなり、直ぐにガチャッと相手が出た音がした。
太宰は軽快に話し出す。
「やぁ、久しぶり。溝駄目からスピード出世したんだって?」
「わざわざ祝うために電話したのか?マフィアとの抗争中に呑気なもんだな、探偵屋」
太宰の相手は、フィッツジェラルドだった。
その後T・J・エクルバークを引き入れ、警備会社共にそこの最強セキュリティ人物システム"
余談だが、鍋の特売など買い物にハマっているらしい。
「それで、何の用だ?」
以前敵対していた組織。
敗れたフィッツジェラルドだからこそ、只の用事ではないことは判っていた。
太宰は歩みを止める。
「ドストエフスキーを捜すのに、君の力を借りたい」
「…条件は?」
一か八かの賭け。
吉と出るか凶か、『共食い』の勝敗はフィッツジェラルドの返事に懸かっていた。
「
「いいだろう」
やけにあっさりとした返答に、思わず「おや」と零す。
「もっと渋るものかと思っていたよ」
「手離れした金に興味はない。が、彼奴に盗られたままでは納得いかないからな…それに___」
その後、待ち合わせ場所や時間を決め、通話を切る。
太宰は再び足を動かし、目的の場所へと向かう。
最中、再び携帯が鳴った。
取り出して液晶画面を見てみれば、思わぬ人物の名がそこに記されていた。
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玲佳(プロフ) - 凄く面白かったです! (2019年12月31日 19時) (レス) id: 30c7137208 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - ちびうささん» そう言っていただけて光栄です。イラスト…!!是非お願いします、ありがとうございます!!待ってます(正座)更新頑張りますね! (2019年1月29日 0時) (レス) id: 5c7b126db4 (このIDを非表示/違反報告)
ちびうさ(プロフ) - この小説シリーズ面白くてあっという間に読んでしまった、、、。私ツイッターとかでお絵かきしてるのですがよろしければ参謀ちゃんのイラスト描かせていただきたいです!!更新楽しみに待ってます!!! (2019年1月27日 17時) (レス) id: f5433967f3 (このIDを非表示/違反報告)
はつり(プロフ) - RANAさん» もちろんです!ありがとうございます〜 (2019年1月18日 20時) (レス) id: 3cbdf99785 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - はつりさん» わざわざありがとうございます!!和装徳永とても嬉しいです!!!おにぎりは森さんに買ってもらったんですね(( ありがとうございます!!もしよろしければ小説に載せたいのですがいいでしょうか? (2019年1月18日 19時) (レス) id: 5c7b126db4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RANA | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb
作成日時:2018年7月1日 18時