止められない戦争の始まりとは。 ページ11
No side
『その声は名探偵さんか...いいんですか?勝算はかなり低いと思うんですけど』
「確かにそうだ、人数も異能もお前達には劣る。だからと言って社長を渡すなんて莫迦な事はしない。僕等は僕等のやり方で社長を救う。それに、幾ら勝算が低いからって負ける気は毛頭ない」
Aの挑発にもきっぱりと言い放つ。
バチバチとAと乱歩の間で見えない火花が激しく散った。
『...じゃあ、交渉決裂ということでいいんですね?』
「勿論」
『そうですか。まぁ、成功するといいですね。その"僕等のやり方"とやらが』
プツッと音を立てて通話は切られた。
敦は半ば呆気にとられながら携帯を仕舞う。
そして乱歩に目を向けた。
静まる中、「社長に」と呟く声が聞こえた。
「社長に、"しっかりしろ"って言われた」
「意識が戻ったのかい?」
「いいや。でも聞こえたんだ」
そう言った乱歩は顔を上げる。
澄んだ緑色の瞳が目の前を鋭く見据えた。
そして国木田を指さす。
「指示を出せ、社長代理。必要な情報は、僕が凡て読み切ってやる」
一方、病院を包囲するポートマフィアの構成員達はジッと"その時"を待つ。
勿論その中には中也もおり、病院を睨むようにして見上げていた。
ザザッと耳に付けた通信機から雑音が聞こえた。
『お待たせ』
「どうだった?」
『交渉失敗。彼等は彼等なりのやり方があるらしいよ』
クスクスと笑い交じりの声。
それは酷く冷めていて乾いていた。
恐らく、いや、完全に嘲笑っている。
普段と違うAに、探偵社は驚いただろう。
これから始まる戦争で、無理矢理でも理解する筈だ。
齢18にも関わらず、"ポートマフィア唯一の参謀"と恐れられた理由が。
「...んじゃ、始めるとするか」
中也が靴底を鳴らして歩き出す。
他の元達はその後ろを着いて行く。
両社、長を護る為に__
『ゲームスタート』
見えない何処かで鼠は嗤う。
二つの組織の戦争の始まりを告げた。
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玲佳(プロフ) - 凄く面白かったです! (2019年12月31日 19時) (レス) id: 30c7137208 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - ちびうささん» そう言っていただけて光栄です。イラスト…!!是非お願いします、ありがとうございます!!待ってます(正座)更新頑張りますね! (2019年1月29日 0時) (レス) id: 5c7b126db4 (このIDを非表示/違反報告)
ちびうさ(プロフ) - この小説シリーズ面白くてあっという間に読んでしまった、、、。私ツイッターとかでお絵かきしてるのですがよろしければ参謀ちゃんのイラスト描かせていただきたいです!!更新楽しみに待ってます!!! (2019年1月27日 17時) (レス) id: f5433967f3 (このIDを非表示/違反報告)
はつり(プロフ) - RANAさん» もちろんです!ありがとうございます〜 (2019年1月18日 20時) (レス) id: 3cbdf99785 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - はつりさん» わざわざありがとうございます!!和装徳永とても嬉しいです!!!おにぎりは森さんに買ってもらったんですね(( ありがとうございます!!もしよろしければ小説に載せたいのですがいいでしょうか? (2019年1月18日 19時) (レス) id: 5c7b126db4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RANA | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb
作成日時:2018年7月1日 18時