怒らせてはいけない人とは。 ページ8
異能を使ってなんとか中也を車の助手席へと運び、運転して無事に拠点へ戻ってきた。
...のはいいんだけど。
『いい加減起きて。おい、チビ帽子』
この野郎、何度呼んでも起きない。
かれこれ五分は経ってる。
...しょうがない、やるか。
中也のシートベルトを外す。
そして車をバックさせる。ある程度距離ができたらアクセルを踏んで一気に加速。建物に当たりそうなギリギリのとこまできたら__
「ぐぁっ!!!」
『ストラーイク』
ブレーキを踏んで急停止した。
勿論、シートベルトをしていない中也は前の方に吹っ飛んでぶつかるわけで。
「手前ッ、何しやがる!」
『いやぁお兄さん起きないから起こそうと思いましてねぇ』
「今度手前が起きなかった時窓から投げ捨てようか」
それ私が死ぬのでは?
中也は席に座り直して額を押さえる。
その額は赤く染まっていた。
...ザマァねぇな。自業自得。
「なんか言ったか」
『最近キャラメル食べてないなって』
読心術か?
それとも頭打ったことで何か目覚めちゃったか?
唸る声が聞こえたので隣を見ると、中也が席を倒して天井を仰いでいた。
まだダルさが抜けてないらしい。
『私、運ばないからね』
「運んでもらう気はねぇよ...そういや、お前どうやって医務室から抜け出したんだよ」
『ふっ、良くぞ聞いてくれた』
「眼鏡は仕舞え。ウザい」
遡ること数時間前。
お見舞いに来てくれたたっちーから久ちゃんの奪還のことを聞いた。
探偵社からは太宰が来るらしいので、ならこっちからは中也だろうと読んだ私は、幸運にも通りすがった黒服にお願いして私と入れ替わってもらい、医務室を出たのであった。
『__めでたしめでたし』
「何が"めでたし"だ。その通りすがった黒服は不運だったな」
あの人には悪いと思ってるよ...今度何か奢ってあげよう。
名前知らないけど。
まぁ結果は首領にバレなきゃいい話。
バレなかったら私の計画通りだ...ふふふふ。
「顔、気持ち悪ィぞ。あと、後ろ」
『後ろ?
ぎゃあああああああああああああ!!!』
私は後ろを向いた。向いてしまった。
そこには、ロリコン悪魔ならぬ首領が車の窓にへばり付いていた。
ねぇ瞳孔開いてますけど。恐怖しかないんですけど。
「Aくん...ちょっといいかね?」
『あ、あの、私、キャラメルくんとおにぎりを食べに行く約束が』
「ん?」
『何でもないです』
「...葬式は行く」
拝啓、めっちゃ怒られた。
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でんでん - 徳永さんの黒の時代がとても面白いです! (2月26日 0時) (レス) @page7 id: e3b856a7a9 (このIDを非表示/違反報告)
るぅと - https://cdn.picrew.me/app/share/202005/258388_pj2ocJeQ.png (2020年5月11日 9時) (レス) id: 623f3ee5b5 (このIDを非表示/違反報告)
るぅと - ミニ徳永ちゃん (2020年5月11日 9時) (レス) id: 623f3ee5b5 (このIDを非表示/違反報告)
るぅと - 夢主徳永ちゃんです!Pcuruで作りました (2020年5月11日 8時) (レス) id: 623f3ee5b5 (このIDを非表示/違反報告)
るぅと - https://p02.nosv.org/?src=https%3A%2F%2Fcdn.picrew.me%2Fapp%2Fshare%2F202005%2F42922_NjYLl6l1.png&w=600&h=&ext=1&zc= (2020年5月11日 8時) (レス) id: 623f3ee5b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RANA | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb
作成日時:2018年1月13日 1時