作戦とは。 ページ5
No side
「おい太宰!」
中也が駆け寄りながら声をかけた。
呼ばれた本人は「うふふ」と笑いながら立ち上がる。
『...気持ち悪い』
「だな。なんだよ、撲ち所が悪かったか?」
太宰の気味の悪い笑いに引きつつ訊ねる。
咳込むとともに、太宰が顔をあげた。
口と手には赤い液体__血が付いていた。
中也が目を見開く。
「手前...深手じゃねぇか」
「あの触手...実に不思議だ。
__異能無効化が通じない」
『...そんな例外あるの?』
「ないよ。だから可能性は一つしかない」
その可能性。
有り得ないが、認めざるを得ない可能性。
「あれは異能じゃないんだ」
「はァ...!?」
三人はラヴクラフトを見る。
人とは思えない不気味なオーラを纏っていた。
ぶつぶつと言葉を呟きながら近づいてきている。
『異能じゃないなら...蛸の進化系?』
「あんな気味の悪ィ蛸いねぇよ」
「仕方ない。懐かしの遣り方でいこう。作戦
「はァ?ここは"櫺子の外に雨"か"造花の嘘"だろうが」
中也の反論に、太宰がニヤリと笑った。
「中也、私の作戦立案が間違ってたことは?」
「...糞!人遣いの洗い奴だぜ。おいA、手前は此処で大人しくしてろよ」
そう言えば、Aは不満そうに中也を見た。
自分も戦いに参加したいのである。
「あのなァ、手前の影と身体は連携してんのはお前が良く知ってンだろ。さっき彼奴の攻撃受けて傷に響いたのがバレねぇとでも思ったか。その傷で使ってみろ、今度こそ歩けなくなるぞ」
「...今回ばかりは、中也の言う通りだね」
中也の意見に、太宰も賛成した。
正論だった。そして、Aもわかっていた。
だが目の前に自分が殴りたい人物がいるのも変わりない。
まだ不満そうにムスッとしている。
「お前が倒れたら俺がその重い体とQを担いで帰んなきゃなんねぇんだ察しろ」
『ぶっ飛ばすぞ』
これ以上無駄だと思ったらしい。
Aはため息をつくとその場を離れ、久作のところへと向かった。
二人の邪魔をしないためだろう。
それを確認すると、二人はラヴクラフトに向き合った。
「素直じゃないね」
「うるせぇ、さっさとやるぞ」
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でんでん - 徳永さんの黒の時代がとても面白いです! (2月26日 0時) (レス) @page7 id: e3b856a7a9 (このIDを非表示/違反報告)
るぅと - https://cdn.picrew.me/app/share/202005/258388_pj2ocJeQ.png (2020年5月11日 9時) (レス) id: 623f3ee5b5 (このIDを非表示/違反報告)
るぅと - ミニ徳永ちゃん (2020年5月11日 9時) (レス) id: 623f3ee5b5 (このIDを非表示/違反報告)
るぅと - 夢主徳永ちゃんです!Pcuruで作りました (2020年5月11日 8時) (レス) id: 623f3ee5b5 (このIDを非表示/違反報告)
るぅと - https://p02.nosv.org/?src=https%3A%2F%2Fcdn.picrew.me%2Fapp%2Fshare%2F202005%2F42922_NjYLl6l1.png&w=600&h=&ext=1&zc= (2020年5月11日 8時) (レス) id: 623f3ee5b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RANA | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb
作成日時:2018年1月13日 1時