検索窓
今日:83 hit、昨日:247 hit、合計:775,803 hit

作戦とは。 ページ5

No side


「おい太宰!」


中也が駆け寄りながら声をかけた。
呼ばれた本人は「うふふ」と笑いながら立ち上がる。


『...気持ち悪い』

「だな。なんだよ、撲ち所が悪かったか?」


太宰の気味の悪い笑いに引きつつ訊ねる。

咳込むとともに、太宰が顔をあげた。
口と手には赤い液体__血が付いていた。


中也が目を見開く。


「手前...深手じゃねぇか」

「あの触手...実に不思議だ。


__異能無効化が通じない」

『...そんな例外あるの?』

「ないよ。だから可能性は一つしかない」


その可能性。

有り得ないが、認めざるを得ない可能性。





「あれは異能じゃないんだ」

「はァ...!?」


三人はラヴクラフトを見る。

人とは思えない不気味なオーラを纏っていた。
ぶつぶつと言葉を呟きながら近づいてきている。


『異能じゃないなら...蛸の進化系?』

「あんな気味の悪ィ蛸いねぇよ」

「仕方ない。懐かしの遣り方でいこう。作戦暗号(コード)"恥と蟇蛙"は?」

「はァ?ここは"櫺子の外に雨"か"造花の嘘"だろうが」


中也の反論に、太宰がニヤリと笑った。


「中也、私の作戦立案が間違ってたことは?」

「...糞!人遣いの洗い奴だぜ。おいA、手前は此処で大人しくしてろよ」


そう言えば、Aは不満そうに中也を見た。

自分も戦いに参加したいのである。


「あのなァ、手前の影と身体は連携してんのはお前が良く知ってンだろ。さっき彼奴の攻撃受けて傷に響いたのがバレねぇとでも思ったか。その傷で使ってみろ、今度こそ歩けなくなるぞ」

「...今回ばかりは、中也の言う通りだね」


中也の意見に、太宰も賛成した。


正論だった。そして、Aもわかっていた。

だが目の前に自分が殴りたい人物がいるのも変わりない。
まだ不満そうにムスッとしている。


「お前が倒れたら俺がその重い体とQを担いで帰んなきゃなんねぇんだ察しろ」

『ぶっ飛ばすぞ』


これ以上無駄だと思ったらしい。

Aはため息をつくとその場を離れ、久作のところへと向かった。
二人の邪魔をしないためだろう。


それを確認すると、二人はラヴクラフトに向き合った。


「素直じゃないね」

「うるせぇ、さっさとやるぞ」

『汚濁』とは。→←徳永のイラスト



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (560 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1041人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

でんでん - 徳永さんの黒の時代がとても面白いです! (2月26日 0時) (レス) @page7 id: e3b856a7a9 (このIDを非表示/違反報告)
るぅと - https://cdn.picrew.me/app/share/202005/258388_pj2ocJeQ.png (2020年5月11日 9時) (レス) id: 623f3ee5b5 (このIDを非表示/違反報告)
るぅと - ミニ徳永ちゃん (2020年5月11日 9時) (レス) id: 623f3ee5b5 (このIDを非表示/違反報告)
るぅと - 夢主徳永ちゃんです!Pcuruで作りました (2020年5月11日 8時) (レス) id: 623f3ee5b5 (このIDを非表示/違反報告)
るぅと - https://p02.nosv.org/?src=https%3A%2F%2Fcdn.picrew.me%2Fapp%2Fshare%2F202005%2F42922_NjYLl6l1.png&w=600&h=&ext=1&zc= (2020年5月11日 8時) (レス) id: 623f3ee5b5 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:RANA | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb  
作成日時:2018年1月13日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。