検索窓
今日:25 hit、昨日:206 hit、合計:775,951 hit

呆れを通り越したとは。 ページ38

No side


森は携帯を仕舞いながら「拙い」と呟いた。


「どうかしたんですか?」


任務の報告で執務室に来ていた立原が訊ねた。

隣にいる銀も不思議そうにしている。


「Aくんが怒ってる」

「え、姉貴がですか?」

「うん、雰囲気からして本気で怒っているようだ」


その言葉に二人は目を見開いた。


Aが本気で怒る事は滅多にない。
それは金環日食並みに珍しい事である。


扉を叩敲する音が響いた。

森が許可すると、黒服の男が入ってきた。


「お話し中失礼します。またもや爆発があったとのを報告しに参りました」

「ほう...今度は何処かね」


そう訊ねると、男は住所と例の喫茶店の名を言った。

森は微かに反応し、暫く考えた後男を下がらせた。


「如何やら、例の組織が復讐の為にAくんに喧嘩を売ったみたいだね」

「...その組織、終わりましたね」


立原と銀は心の中で合掌。

自業自得なのか、哀れなのか、又は両方なのか。


森は銀に指示を書いた紙を渡しながらくつくつと笑った。


「うちの参謀は、怒ると怖いからねぇ」









倉庫が並ぶ海岸付近。

そのうちの一つの地下室で、男の下品な笑い声が響いた。


「あの中にポートマフィアの参謀が居なかったのは残念だが...まぁいい、次の機会に取っておくとしよう」


ライターの火が揺れる。
それを煙草につけ、口に咥えると煙を吸い込んだ。吐き出せば煙草の匂いが辺りに広がる。


周りに群がる男達の中から声が聞こえた。


「次は何時にするんですかい?」

「フッ、まぁそう焦るな。最後にとっておく程デザートは美味い...そうだろう?」

「ヒヒッ間違いねぇですわ」


再び下品な笑い声が響いた。


『へぇ、塵にしちゃあ随分とお洒落な言葉を使うね』

「ッ誰だ!」


突如聞こえた女の声に、男達は辺りを警戒する。


靴の底が鳴る音が後ろから聞こえてきた。

音が止み、振り向けば薄暗い中に浮かぶ人影。


『どうも。デザートことポートマフィアの参謀、徳永Aです』

闇に深く沈むとは。→←キレる5分前の出来事とは。



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (560 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1041人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

でんでん - 徳永さんの黒の時代がとても面白いです! (2月26日 0時) (レス) @page7 id: e3b856a7a9 (このIDを非表示/違反報告)
るぅと - https://cdn.picrew.me/app/share/202005/258388_pj2ocJeQ.png (2020年5月11日 9時) (レス) id: 623f3ee5b5 (このIDを非表示/違反報告)
るぅと - ミニ徳永ちゃん (2020年5月11日 9時) (レス) id: 623f3ee5b5 (このIDを非表示/違反報告)
るぅと - 夢主徳永ちゃんです!Pcuruで作りました (2020年5月11日 8時) (レス) id: 623f3ee5b5 (このIDを非表示/違反報告)
るぅと - https://p02.nosv.org/?src=https%3A%2F%2Fcdn.picrew.me%2Fapp%2Fshare%2F202005%2F42922_NjYLl6l1.png&w=600&h=&ext=1&zc= (2020年5月11日 8時) (レス) id: 623f3ee5b5 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:RANA | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb  
作成日時:2018年1月13日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。