【文スト】参謀とは。4

ゆるふわ会議とは。 ページ34

叩敲をした後、「失礼します」と言って会議室に入る。

中には首領、姐さん、中也がいた。
今後の予定確認をしているらしい。


三人に近づくと、髪を二つ結びにした首領が手を掲げる。
エリス嬢がやったのだろう。エリス嬢可愛いか。


『頼まれた書類です』

「態々すまないねぇ。そういえば、今週末に某企業との会食があるのを覚えているかい？」

『ええ。私も"無理矢理"連れてかれるのでしっかり覚えてますよ』


"無理矢理"を強調しながら携帯の液晶画面に予定表を表示した。


「その件なのだけれど、やはり今週末は厳しそうでねぇ」

『え』

「だから3日に済ませておけと私(わっち)は言うたのじゃ」


姐さんがベシベシと紙を叩く。

横に座る中也から紙を奪って今週の予定を見た。
そこにはびっしりと予定が詰まっており、今週末のところに"会食"と書かれている。


うちの首領は、予定一つ自分で立てられないらしい。

やれやれ、とため息をついていると紙が手から消えた。
横を見れば中也がそれを見ている。

おいコラ。


「...でしたら候補は15日が適切かと。その日ならAも空いてンだろ」

『15？...うん、空いてる』

「そこはねぇ、エリスちゃんを買い物に連れていく約束なのだよ」

「ああ、それは致し方ありませんね」


致し方なくないわ。
すかさず甘やかすな、と姐さんが言う。


数秒後、再び中也が提案した。


「では18日は如何ですか？」

『あ、そこは私が駄目。駅前のケーキ屋さんのキャラメルケーキ発売日だから』

「ふむ...なら無理じゃのぅ」

「姐さん、Aを甘やかさないでください」


なんで。
重要だよ、発売日は。しかもキャラメル。


あれやこれやと日にちを提案するが、中々決まらない。
すると首領が携帯を取り出した。


「ああごめん、一寸電話しても良いかね」

「ん？早急の用事なのかえ？」

「喉乾いたからお茶、広津さんに持ってきて貰おうかと」

「しばくぞ」

「お茶だけに？」

『うわさむ』


お茶の為だけに広津さんパシリにするとか最低だこのロリコン。
しかもギャグセンスがないときた。


「判った判った。三人の分も用意させるから。何茶にする？」

「おや、話が判るのぅ。私(わっち)は梅昆布茶」

『姐さん渋いですねぇ。あ、私はキャラメルラテ』

「珈琲で」

「二人ともそれお茶じゃないよ〜」


その会話は見張りのたっちーに聞こえていたという。




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次回からオリジナルストーリーです。

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