それぞれの長とは。 ページ12
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国木田達社員は目を見開き、Aは体を斜め後ろに向けた。
「社長...!」
「皆落ち着け。国木田は銃を収めよ」
武装探偵社の社長。名を福沢諭吉。
__能力名『人上人不造』
国木田は「しかし...」と躊躇った。
だが福沢に目で訴えられ、渋々銃を懐へ仕舞った。
それを見ると、今度はAへ視線を移した。
「うちの社員が失礼な事をした」
『いえいえ、お気になさらず』
Aは人良さそうな笑みを浮かべる。
そして帽子を胸へ当て、深々とお辞儀をした。
『初めまして。ポートマフィア参謀、徳永Aです』
「武装探偵社社長、福沢諭吉だ」
挨拶を交わす二人に、近くにいた国木田と敦は困惑した。
福沢はAが此処へ来るのを知っていたようだ。
「あの、Aちゃんはなんで此処に?」
敦は先程聞けなかったことを再度訊ねる。
すると、きょとんとした顔が向けられた。
不思議に思っていると、Aが「あぁ...」と呟いてため息をついた。
『やっぱり言ってなかったか、あの包帯男』
「包帯男って...太宰さん?」
『そうそう。私、彼奴に呼ばれて此処に来たの』
「えっ!」
「はぁぁ!?聞いてないぞそんなこと!」
すかさず国木田の怒声が飛ぶ。
敦は驚くと共に、頭の中に疑問が生まれた。
太宰がAを呼んだ理由である。
全く予想がつかないのだ。
思考を巡らせていると、「敦」と福沢に呼ばれた。
「徳永殿を会議室まで案内を頼む」
「あ、はいっ! じゃあ、行こう」
Aが頷いたのを見て歩き出す。
ドアを開け、廊下へ出る。
顔見知りで二人きりになってリラックスしたからか、Aは伸びをした。
そのまま頭の後ろで手を組んだ。
『相変わらずだねぇ、国木田さん』
その言葉に敦は苦笑するしかなかった。
会議が終わった後、また国木田さんの怒声が社内に響くことだろう。
心の中で太宰に向けて手を合わせた。
『福沢社長って、本当に長って感じ...うちのとは大違い』
「そうなの?」
以前あった、町医者の恰好をした森を思い出す。
逃げ出そうとしていた敦を止め、助言をくれ、再び敵に向かわせてくれたのだ。
確かに、エリスが消えて泣いたり喚いたりしていたが...立場がどうあれ、敦にとって森は少なからず恩人なのだ。
「どういう人なの?」
『一言でいえばロリコン』
「え‶」
敦は絶句した。
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でんでん - 徳永さんの黒の時代がとても面白いです! (2月26日 0時) (レス) @page7 id: e3b856a7a9 (このIDを非表示/違反報告)
るぅと - https://cdn.picrew.me/app/share/202005/258388_pj2ocJeQ.png (2020年5月11日 9時) (レス) id: 623f3ee5b5 (このIDを非表示/違反報告)
るぅと - ミニ徳永ちゃん (2020年5月11日 9時) (レス) id: 623f3ee5b5 (このIDを非表示/違反報告)
るぅと - 夢主徳永ちゃんです!Pcuruで作りました (2020年5月11日 8時) (レス) id: 623f3ee5b5 (このIDを非表示/違反報告)
るぅと - https://p02.nosv.org/?src=https%3A%2F%2Fcdn.picrew.me%2Fapp%2Fshare%2F202005%2F42922_NjYLl6l1.png&w=600&h=&ext=1&zc= (2020年5月11日 8時) (レス) id: 623f3ee5b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RANA | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb
作成日時:2018年1月13日 1時