満月と逆刃刀の女 ページ36
貴方side
このことを伝えたら、土方さんを傷つけてしまうかもしれない。
そう思っていたけれど、昔のことを思い出してふと、伝えなければいけないと思った。
貴「私はある時………大切な仲間達と、家族のように愛おしく思っていたひとを二人、亡くしました。そしてその後、私はなんのあても、目的もなくフラフラと日本中を旅していました。」
私が話し出すと土方さんは、驚きと動揺。困惑の表情を浮かべながらも静かに聴いてくれた。
貴「まぁ、そんな状況で金が貯まるはずもなく、ある時私は、道端で倒れてしまいました。
そんなのたれ死んでもおかしくなかった私を、助けてくれたのが、ミツバさんなんです。」
ーーー『アラ、起きた?驚いたわ。道に倒れているんですもの。』ーーーーーーーーーー
ーーー『具合がよくなるまで、ココにいたらいいわ。フフッ。妹ができたみたいで嬉しいわ。』
貴「ミツバさんは本当に優しい人で、氏も素性もわからない私を、しばらくの間、居候させてくれました。」
ーーー『みてみてAちゃん。可愛いでしょう?私の自慢の弟のそーちゃん!』ーーーー
ーーー『こっちは十四郎さんで、こっちは近藤さん。十四郎さんは外見は怖そうだけど、本当は誰よりも優しくて、格好いいひとなの』ーーーー
貴「ミツバさんの口から出てくるのは、貴方の…沖田や皆んなのことばかりで、嬉しそうに微笑みながら、話していました。
ミツバさん、ある時こう言ってたんです。
ミ『私ね、十四郎さんに伝えたいことがあるの。
あの人は、私を拒絶したけれど、それが私の幸せを思ってくれているからって、わかってるの。
でもあの人は気づいていなかった。
私があの人と、そーちゃんや近藤さんや皆んなと過ごせて、どれだけ嬉しくて、充分幸せだったか。沢山の幸せを与えてもらったか。
皆んなと笑いながら、帰る道のりが、愛おしくて仕方なくて、まっすぐ歩くあの人たちの背中を見ることが好きだった。
不器用でぶっきらぼうで……でも優しいあの人たちが大好きだった。
私はあの人の……十四郎さんの隣にはいられなかったけど、それはとても、寂しいことだけれど。
きっといつかあの人の隣に立てる人が、現れるはずたから。
そんな時に私のことを負い目に感じるんじゃなくて、今度こそ、
幸せになってほしいの。
あの人が私の幸せを願ってくれたように、私もあの人に幸せになってほしいから。
私に沢山の幸せな日々をありがとう。』
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紺花(プロフ) - 土方彩香さん» 全然大丈夫ですよ!誤字可愛らしいです。本当ですか!?シリアス自信がなかったので嬉しいです!!ありがとうございます!これからもこの作品をよろしくお願いします! (2019年10月21日 19時) (レス) id: 3ee85d0920 (このIDを非表示/違反報告)
土方彩香 - すみません、「とかとか」になっちゃったのは誤字です…。 (2019年10月20日 23時) (レス) id: a12d762946 (このIDを非表示/違反報告)
土方彩香 - お久しぶりです!…いや、あの、ひとつだけ言わせて下さい…。紺花さんの書くシリアス最高です!!!いや、ギャグもいいんですけど、元々暗い話とか重い過去とかトラウマとか戦とかとか大好きなんで、今のシリアスむっちゃ私好みです! (2019年10月20日 23時) (レス) id: a12d762946 (このIDを非表示/違反報告)
紺花(プロフ) - やっぱりテスト、ありますよね……。うぅ、テスト嫌だァア!!でも、コメントをくださったおかげで元気がでました!頑張ります!お互い頑張りましょう!!コメントありがとうございます!! (2019年10月3日 7時) (レス) id: 2272969ba0 (このIDを非表示/違反報告)
土方彩香 - お久しぶりです!私も明日からテストです…。嫌だよ〜…。なので、頑張って下さい!と言うか、お互い頑張りましょう!! (2019年10月2日 20時) (レス) id: a12d762946 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紺花 | 作成日時:2019年5月22日 20時