過去回想編11 睦月流 紅の舞 ページ25
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貴「あーもう!また負けたあー!!」
今日も松下村塾の武道場に子供達の元気な声が響く。………一人を除いて。
Aが悔しそうに地団駄を踏んでいると、稽古の相手をしていた銀時、小太郎、晋助はそろってため息をこぼした。
銀小晋(なんでコイツ/Aに剣を向けなきゃいけねェんだ…。/ないんだろうか…。)
Aが気づかないレベルで手加減はしているが、あまりしすぎると怒られるので、銀時達は困り果てていた。
好きな女の子に稽古とはいえ剣を向けたくない。
そんな銀時達の葛藤を知らないAが、笑顔で見守っていた松陽に駆け寄る。
貴「松陽先生!!どうすればもっと強くなれる?」
Aは、銀時達に勝てないだけで、弱いというわけではなかった。銀時達以外の子供には勝っているし、むしろ剣術をやり始めてまだ日が浅いのに、これだけ成長しているのはある意味才能とも言える。
松陽は少し困った表情をしていたが、何かを思いついたのか柔らかく微笑み、Aに話しかけた。
松「そうですね……Aはとても真面目に習った型を守っているので、破ってみてはどうですか?」
貴「型を破る?」
松「そうです。基本の型を自分らしく改良するんです。…そういえばAは舞を踊れると言っていましたね。それの動きを取り入れてみるとよいかもしれません。」
貴「ありがとう!松陽先生!!」
Aと銀時が向き合って竹刀を構える。
Aの頭の中に母や父と過ごした幸せな日々が思い出される。
母や父が褒めてくれた舞を思い出すのはいつぶりだろうか。
二度と大切な人を失いたくない。
だから私は、皆を護れるくらい強くなる!!
睦月流ーーー紅の舞。
Aが閉じていた目を開けた瞬間、雰囲気がガラッと変わる。
その瞳には紅の炎が燃えていた。
銀時はその変化に驚きながらも、胴を目掛けてするどい突きを繰り出す。
Aはそれを後ろに下がって避ける。
が、銀時はそれを読んでいて、畳み掛けるように一歩前へ進んだその時。
タタン!!
だれも予想も出来なかった銀時の背後にAは移動していた。
舞のステップでターンしたのだか、あまりにも動作が美しく軽やかだったため、反応が遅れた。
銀時が慌ててガードしようとするが、Aはその一瞬を見逃さなかった。
銀時の喉元に竹刀が突き刺さる。
この身体の柔らかさや軽やかさを使った舞は、恐ろしく実践向きだ。
松陽がそう感じたこの時こそ、
睦月流ー紅の舞が生まれた瞬間だった。
過去回想編12 紅の姫→←過去回想編10晋幼「そういや、あいつが俺らのこと下の名前で呼んで良いか、だってよ。」小幼「あぁ。今度会った時に良いと言っておこう。ヅラじゃない桂だ!!」晋幼「テメェそれ言いたいだけだろ。」
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紺花(プロフ) - 土方彩香さん» 全然大丈夫ですよ!誤字可愛らしいです。本当ですか!?シリアス自信がなかったので嬉しいです!!ありがとうございます!これからもこの作品をよろしくお願いします! (2019年10月21日 19時) (レス) id: 3ee85d0920 (このIDを非表示/違反報告)
土方彩香 - すみません、「とかとか」になっちゃったのは誤字です…。 (2019年10月20日 23時) (レス) id: a12d762946 (このIDを非表示/違反報告)
土方彩香 - お久しぶりです!…いや、あの、ひとつだけ言わせて下さい…。紺花さんの書くシリアス最高です!!!いや、ギャグもいいんですけど、元々暗い話とか重い過去とかトラウマとか戦とかとか大好きなんで、今のシリアスむっちゃ私好みです! (2019年10月20日 23時) (レス) id: a12d762946 (このIDを非表示/違反報告)
紺花(プロフ) - やっぱりテスト、ありますよね……。うぅ、テスト嫌だァア!!でも、コメントをくださったおかげで元気がでました!頑張ります!お互い頑張りましょう!!コメントありがとうございます!! (2019年10月3日 7時) (レス) id: 2272969ba0 (このIDを非表示/違反報告)
土方彩香 - お久しぶりです!私も明日からテストです…。嫌だよ〜…。なので、頑張って下さい!と言うか、お互い頑張りましょう!! (2019年10月2日 20時) (レス) id: a12d762946 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紺花 | 作成日時:2019年5月22日 20時