PIERROT (ページ39)

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岩本side.

はぁ、

もう何回目かのため息をつく。

運転手の座を狙って、

佐久間と言い合うことかれこれ15分。

渡「この前倒れたばっかなんだし、

今回は照にまかせよう。な？」

不調を知ってるみんなから、

そう説得されているのに、

こんなに自分の主張を

曲げない彼は珍しい。

岩「どうせまだ本調子じゃないんだし、

ここで意地張って無理する必要ないだろ？」

こんなに運転決めにつかう尺もないだろうから、

どうせ撮ってもカットされる。

ふっかがカメラを持つ手を下ろして、

深「なんでそんなに運転したいの？」

優しい声で問いかけられて、

もごもごと口を動かす佐久間。

阿「佐久間？？」

子供をあやすように、

頭を撫でながら阿部が声をかけると

佐「だって、運転してると、酔いにくいから。

あと、運転手なら口数少なくなっちゃっても

違和感ないかな、って …」

阿「そっか。」

“教えてくれてありがとう”

“よく言えました”

とても言うようにわしゃわしゃと頭を撫でる。

始めから理由を教ええくれればよかったのに。

また1人で抱え込もうとする佐久間と、

なによりそれに気づけない自分にまたイライラして。

岩「途中でまたキツくなって

事故でも起こしたらどうするんだよ」

そこまで言うとハッとしたように、

佐「わかった。… 照、お願いします。」

ふざけて使っているとは思えない、

ただ距離を感じる敬語に

また、眉をひそめる。

向「体調悪くなったらすぐ言いや」

宮「俺らもサポートするからね」

宮舘が佐久間の肩に腕を回して、

それぞれ車に乗り込んだ。

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