PIERROT (ページ35)

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宮「おはよう。」

照の声に、頭を撫でてくれるだてさん。

ラ「佐久間くん～心配した！」

いつの日かみたいに、

抱きついてくるラウールと、

阿「大丈夫？」

いつも以上に優しい声で

俺に問いかける阿部ちゃん。

もしかして、

嫌われてると思っていたのは

勘違いなんじゃないかって思うほどの

みんなの優しさに触れて、

何故かまた泣きそうになる。

最近泣き虫だなーって

涙を零さないように、

佐「ちょっと体調悪くなっちゃって！

でももう治ったでやんす！元気元気！」

口角を上げると、

涙も引っ込んでいくきがした。

あ、照…。

ここまで運んで貰っている間、

朦朧とする意識の中で、

照の筋肉質な身体と、

いつもの香水の匂いに、

安心感を覚えていた。

怒っているかな。

でも、あんな姿を見せたのに、

介助してもらったから、

何も言わない訳にもいかないよね。

意を決して、照の前に立つ。

佐「あの、…すみませんでした。」

ギュッと目をつぶって、

頭を下げる。

岩「 … は？」

簡単に、許しては貰えないみたい。

向「こういう時は “ありがとう” よたくまくん～」

康二の声にハッとして、

佐「ありがとう、ございました…。」

恐る恐る顔を上げると、

照は気に入らない顔で。

不服そうに、納得いかなげに、

岩「おう。」

って、返ってきたのは2文字だけだった。

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