459 ページ13
No side
_______pm11:40
日付が変わる少し前。
しんと静まり返る屯所には、部屋の前の縁側に腰掛け、ぼんやりと夜空に輝く月を眺める沖田と土方の姿があった。
そこへゆっくりと近付いてくる足音。
「昼間あんなに寝るからだぞ」
「…近藤さん」
「眠れないんだろ、二人共」
近藤の言葉に図星の二人は罰が悪そうに顔を逸らした。
昼前から寝て、彼等が起きたのは夕方頃。
沖田はともかく、滅多に昼寝なんてしない土方にとってはそれだけ長い時間寝てしまうと少したりとも睡魔はやってこない。
ぱっちりと開く瞼にどうしようもないため息がこぼれてしまう。
「…不思議でさァ。気配に気付かねェ程熟睡したことなんざ今まであったかねィ…」
「さぁなぁ。本当に爆睡だったもんな、二人共。隊士達がカメラ回してようが近付いて来ようが起きる気配なかったし」
「何してんだアイツらは…余計な事してねぇで仕事しろ」
「お前達のレアな姿見れるチャンスはAちゃんといる時だけだから仕方ないさ」
俺もいいもの見せてもらった、と満足気に頷く近藤。
彼女といる時、自分がどれだけ気を緩めているか十分自分でも理解している為、その顔を見られていたとなると恥ずかしい気持ちがふつふつ込み上がってくる。
二人してふい、と背けた顔に近藤はまた大きく笑った。
「よっこいせ」
そう言いながら二人の間に自身も腰を休めた近藤は、それぞれ肩に腕を回し引き寄せる。
突然された行動に抵抗もなく寄っていった体は大きな腕の中で二人一緒に抱きしめられた。
「っな、何すんだ近藤さん！」
「ん？Aちゃんから言われたのさ。照れ屋のお前達には、俺からすればきっと素直になってくれるだろうって。まさか本当だったとはなぁ」
「何がですかィ…」
意味が分からないと問う二人に、心底嬉しそうな笑顔を向ける彼は分かっている。
本当に嫌なら、この二人は簡単に腕から抜け出す事が出来ると。
そうしないのは…
「がっはっは！可愛い奴らめ！」
「っちょ、何すんでィ…！」
「やめろ近藤さん…！」
「うりゃうりゃうりゃ！」
豪快に頭を撫で回す手に口では嫌々言いながらも逃げない二人。
その姿を先程の彼女と重ね、笑みをこぼした____
「(俺が、引き出してみせる。こういう時の��長��だ)」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 682人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かっぱの子(プロフ) - 皆さまこんにちは！お知らせしていた日替りの件ですが、キャラの募集の締め切りを11月末(金曜)まで伸ばしたいと思います！是非是非たくさんの方の投票お願い致しますー！ (2018年11月28日 20時) (
レス) id: f7e5f708ce (このIDを非表示/違反報告)
あさき - 高杉さんに3票です！ (2018年11月28日 7時) (レス) id: bb36b65e09 (このIDを非表示/違反報告)
月閖 - 投票失礼します！高杉さんに1票、銀さんに1票、出来たらアレスの天秤の吉良ヒロトに1票。無理だったら桂さんでお願いします！ (2018年11月17日 14時) (レス) id: 459605d5e8 (このIDを非表示/違反報告)
シャープ♯(プロフ) - 投票で、高杉晋助に2票、沖田総悟に1票でお願いします！ (2018年11月17日 14時) (レス) id: b2ab8709a3 (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 更新楽しみ(・∀・) (2018年10月19日 10時) (レス) id: 86c39b16fe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かっぱの子
| 作成日時：2018年8月19日 20時
