うちのマネは女装男子でした５【男主】

179話 ページ35

Aside





文化祭が終わって1ヶ月が経った。


夏の暑さが和らぎ、朝夕の風が随分涼しくなった。


今日は春高代表決定戦1日目、
つまり県内のベスト8以上が決まる試合だ。





『なぁ日向、寒くないの？』


日向「はい！全然！」





いるよなー、こういう子。学年に1人はいた。


年がら年中半袖な子。
冬でも半袖半パンの強い子。


いやーほんと心の底から尊敬する。





月島「子ども体温って高いみたいだしネ」


日向「んなっ！？こっ、子どもって言うな！！」


『…って夕も半袖か』


西谷「小学生じゃねぇぞ！！？」


『言ってねぇよ』





これは以前に「そこの小学生静かに」って注意された時のことを相当引きずってるな


……まあ、





『安心しろ、さすがに小学生には見えないから』


西谷「だよな！ったく俺が小学生なん」


『見た目は中学生で中身が小学生なだけだもんな』


東峰「フォローになってないよ。むしろ傷口抉ってるよ」


西谷「Aテメェェェェ！！」





飛びかかってきた夕に背を向けるとガバッと背中が重くなった。





西谷「ハーッハッハッハ！どーーだ！背中が重いだろォ！！」


『かーるいかるい。もしかして体重も小学生？』


西谷「ンガァァァァァァァ！！！！」





よしよーし、と言いながらおんぶを続けると夕はバッと飛び降り、ビシッと俺を指した。





西谷「小学生っていう方が小学生なんだぞ！！！」


菅原「それはちょっと違うべ」


日向「うおぉぉぉ…試合！だっ！！」


影山「あ゛っ！待て日向ボゲェ！！」


澤村「あ、コラお前ら！誰かにぶつかったりしたら危ないだろ！」





会場に向かってダッシュし始めた日向と影山


すると前を歩いていた他校の集団にぶつかる。


ほんと言わんこっちゃねぇな。


すると、





？？「メガネちゃ〜ん！今日こそ携帯番号教えてね〜！！」


清水「………っ…」





クルリとこちらを見、清水先輩に向かってにこにこと手を振る金髪ピアスの男。


清水先輩はサッと目を逸らし、リュックの持ち手に力を込めた。


先輩とその男を交互に見た龍と夕が走り出そうとしたその肩をガシリと掴んで引き戻し、








『………なんでうちのマネージャーのこと知ってんのかな、おにーさん？』








笑顔を浮かべて彼の元へと歩きだした。

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