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◇15◇ ページ16

sideA


誰もいない。というか、誰も来ない。



来たところで何もわからない。


誰なのかわからない。



私の名前は看護師さんからきいた。



A「……A」


これが私の名前なんだ。



変な気持ちだ。



誰もいない私1人だけの室内で、誰かが持ってきた花をみてる。



A「フッ))綺麗……」



人の足音がすると怯えてしまう。



さっきの人がまた来るんじゃないかって。



でも、綺麗なものを見てるとその感情が薄れていくような気がした。



その時だった。


コンコン、


とドアをノックする音と同時に

沖矢「入りますよ」


と人の声がした。



人がくる。怖い。嫌だ。

…どうしよう。


足が動かない。



またさっきの人が、怒鳴りに来たんじゃないかって思うと、足の震えが止まらなかった。



沖矢「意識が戻ったんですね……っ!」


ベットからおりて窓際にうずくまっている私をみて男の人が駆け寄ってくる。


怖い……。

私は目をつむることしかできなかった。



沖矢「大丈夫ですか!?」



私の前にしゃがみこみ声をかけてくる。



あれ、怒鳴っていた人とは違う声だ……



恐る恐る、顔をあげてその人の顔をみる。



沖矢「!」


目が合うと彼は驚いた顔をして、



沖矢「……失礼」



そう言って私を抱きかかえ……



??!


抱きかかえ?!




A「え!?あ、う、え、ええ?!」



知らない人にお姫様抱っこされてベッドへと運ばれた。



その人は優しく私をおろしてくれた。


沖矢「あの花、気に入ってもらえましたか?」

A「え?」

沖矢「先ほどまで花を見ていたのではなかったんですか?」

A「っ!すごい、なんでわかるの?」

沖矢「窓際にうずくまっていたからですよ。花を見にいって、私が来たから怯えていたんですよね?」

A「……はい。」

沖矢「あれ私が持ってきたものなんです。気に入ってもらえてよかったです」


この人には私のことがすべてお見通しみたいだ。


A「あの、ごめんなさい。あなたは、私の知り合いかもしれません。でも、……今の私には何も、わからないんです。だから、本当にごめんなさい……」


知り合いだから来てくれたに違いない。


沖矢「あぁ…実をいうとあなたは私のことを知らないはずです。」

A「え?」

沖矢「直接関わったことはありませんから」


じゃあ、結局は知らない人……?


そう思って彼の顔をじっとみつめた。




A「黒い、人……??」

◇16◇→←◇14◇


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剣城萌江(プロフ) - ハルカさん» ありがとうございます! (2020年8月7日 22時) (レス) id: 9aee53a1c0 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ - はちゃめちゃに面白かったです、、! (2020年8月7日 22時) (レス) id: bd20f305fa (このIDを非表示/違反報告)
『 』 - 面白かったです!! (2018年1月30日 23時) (レス) id: 82f14ce098 (このIDを非表示/違反報告)
剣城萌江(プロフ) - 夢羽さん» コメントありがとうございますヽ(;▽;)ノそう言っていただけてとても嬉しいです(涙) (2017年2月21日 19時) (レス) id: 7ee6bd3e98 (このIDを非表示/違反報告)
夢羽 - 完結おめでとう!とてもおもしろカッターデス! (2017年2月19日 8時) (レス) id: d3a97d98d4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:剣城萌江 | 作成日時:2016年4月18日 17時

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