嵐の出会い 9 ページ10
眼前に広がるどこまでも続く青
空の蒼と海の碧が入り交じる青のコントラスト
いつまでも飽きることの無いその美しさに、クラピカは魅せられていた
潮風がクラピカを通り抜ける
その静けさに思わず、声を漏らした
ここ数日の騒がしさを思うと、1人で過ごすことはなんだか久しぶりのような気がする
そんなの当たり前だった筈なのに…
今の私は『誰かと過ごすこと』の方が、当たり前になり始めていて、
クラピカの脳裏に浮かぶのは、一見親子のように、年齢がかけ離れているあの2人
嵐の日から何かと、共に行動をしたり、一緒にいたりする
ドクン、
大きく波打つ心臓
あのときからずっと、鳴り響く鼓動の音
暖かい水が全身を駆け巡るこの感覚
彼らを思うと、胸が切なくなる
他人と過ごす幸せをゆっくりと、ゆっくりと、思い出してしまって、
ずっと昔に閉じ込めた記憶が、零れてしまいそうになる
それは絶対、これからの私の進むべき道の足枷になってしまう
彼らと離れること
彼らと共に行動しないこと
それが1番、私にとって得策なんだと思う
それでも……
「あ!クラピカ見つけた!!」
「こんなとこにいたのか。全く探しちまったぜ」
不意に背後から私を呼ぶ声が
振り向けば、ゴンとレオリオが手を振っていた
急いで駆け寄れば、すぐにゴンが口を開いた
「クラピカお腹空いてない?朝ご飯できたって!」
オレ、もうペコペコだよー
お腹をさすりながら、ゴンは呟く
その様子に思わず笑い声をあげた
「早く行こーぜ!なんてったって、朝飯は1日のエネルギーだからな!!」
大きな声に負けないくらいに聞こえる大きなお腹の音
また、笑い声が零れた
「そうだな。早く行こう」
歩きだす彼らと同じ歩幅で横を歩く
2人の笑い声、息遣いが1番近くで感じられる場所
彼らの隣に居るだけで人の暖かさが伝わってくる、そんな気がした
1人で生きると決めた
誰の力も借りず、誰の手も掴まない道に進むことを、私は決めた
それでも、思うんだ
今は、今だけは、彼らと居たい、と
この先、たとえ、それが足枷になったとしても、彼らと共に居たい
心から、そう願うんだ
眼前に広がる真っ青な碧空
どこまでも続く、光輝く蒼い海
久しぶりなんだ
こんなにも、世界の景色が心に染み入るのは
こんなにも、世界が輝いて見えるのは
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純花 - 頑張って下さい! (2019年10月5日 10時) (レス) id: d5c5fac556 (このIDを非表示/違反報告)
柊 ニイナ - 久しぶりに更新をしてみたら、なんということでしょう、星が黄色になっていました。評価して下さった方、お気に入り登録して下さった方、小説を読んで下さってる方、本当にありがとうございます。気まぐれな作者ですが、これからもよろしくお願いします。(o´ω`o) (2015年8月20日 0時) (レス) id: 00fd6c485f (このIDを非表示/違反報告)
◇ライト◇(プロフ) - 柊 ニイナさん» はい!楽しみにしてます(*´∀`) (2015年3月6日 23時) (レス) id: 27e7b74444 (このIDを非表示/違反報告)
柊 ニイナ - ◇ライト◇さん» ◇ライト◇さん、ありがとうございます。学生の敵(テスト)をやっと倒せたので、これからは更新率増やしていけるよう頑張りたいと思います。 (2015年3月6日 5時) (レス) id: dfd590a73e (このIDを非表示/違反報告)
◇ライト◇(プロフ) - すごく続きが気になります!更新頑張ってください!! (2015年3月5日 1時) (レス) id: 27e7b74444 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊 ニイナ | 作成日時:2014年12月10日 22時