嵐の出会い 7 ページ8
『究極の選択を迫られると、人は自分の身が必ず保証される選択をする』
ずっと昔に読んだ本の一節にそんな文があった
他人から見れば、こんなこと大したことでは無いのかもしれない
それもそうだ
自分の志望理由を話す、それだけのことだ
深く考えすぎてしまうのは、幼い頃からの私の悪い癖
でも、やっぱり、自分の過去を少しでも他人と共用したくは無い
そんな一時の感情で、同情も蔑んだ目も向けられたくは無いから
……1番嫌なのは、外の人間に私達クルタ族の干渉を持たれることだけど
だから、絶対ここでは言わないつもりだった
だって、私の存在を知られるには、あまりにも人が多すぎる
例えクルタ族という民族を知らなくても、興味の対象に置かれれば、いとも簡単に調べ尽くされてしまう
私達の居場所も、私達の秘密も、
だから、殺されたんだ
父さんも、母さんも、みんなも、
……パイロだって、
みんな、殺された
情報が正しければ、吐き気に襲われるような、そんな無惨な死に方で、
最低だ
私の大切な人達を
いとも簡単に、全て奪ったんだ
最低だ
あんな死に方、誰も望んでいなかったのに
絶望と憎しみの色に染まった証を瞳に刻んで皆、死んでいったんだ
そんな死に方、誰が簡単に受け入れられる？
私は決めたんだ
賞金首狩り(ブラックリストハンター)になることを
この、瞳に誓ったんだ
絶対に、「奴ら」に復讐をすると
だから、私がここに居るのは覚悟なんだ
自分の誇りも、望みも、全て捨てて存在する意味なんだ
それなのに、私の覚悟も、みんなの苦しみも知らないで、私達、クルタ族をあいつは侮辱した
「薄汚い血」
あいつは確かに、そう言った
許さない
絶対に、
微かに染まる紅の世界
瞳を閉じる
大丈夫、
この程度ならまだ、気を静められる
ゆっくりと目蓋を上げて、前を視る
そこに映っていたのは、
薄暗い廊下を照らすランプの橙の灯と、真っ黒なスーツに身を包んだ男
安堵の息をそっと洩らす
でも、直ぐに怒りがフツフツと込み上げる
男の発した、
あの、忌まわしい言葉に……
レオリオは勢い良く看板の扉を開けた
強い強風とともに、冷たい雨がクラピカの頬を幾度となく叩きつける
クラピカにとっては、こんな嵐、経験したこともない
でも、今はそんなことどうでも良かった
「来い」
細い目を更に細くしながら、レオリオはクラピカを看板に促す
その姿を思い切り睨みつけると、クラピカは一歩、細い足で力強い嵐の中を踏み出した
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純花 - 頑張って下さい！ (2019年10月5日 10時) (
レス) id: d5c5fac556 (このIDを非表示/違反報告)
柊 ニイナ - 久しぶりに更新をしてみたら、なんということでしょう、星が黄色になっていました。評価して下さった方、お気に入り登録して下さった方、小説を読んで下さってる方、本当にありがとうございます。気まぐれな作者ですが、これからもよろしくお願いします。(o´ω｀o) (2015年8月20日 0時) (レス) id: 00fd6c485f (このIDを非表示/違反報告)
◇ライト◇(プロフ) - 柊 ニイナさん» はい！楽しみにしてます(*´∀｀) (2015年3月6日 23時) (レス) id: 27e7b74444 (このIDを非表示/違反報告)
柊 ニイナ - ◇ライト◇さん» ◇ライト◇さん、ありがとうございます。学生の敵（テスト）をやっと倒せたので、これからは更新率増やしていけるよう頑張りたいと思います。 (2015年3月6日 5時) (レス) id: dfd590a73e (このIDを非表示/違反報告)
◇ライト◇(プロフ) - すごく続きが気になります！更新頑張ってください！！ (2015年3月5日 1時) (レス) id: 27e7b74444 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柊 ニイナ | 作成日時：2014年12月10日 22時
