【 鬼滅の刃 】伊之助さんとそんな日々【 嘴平伊之助 】

伊之助さんが久々に怪我をした日 ページ32

伊之助side
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『 じゃあ、安静にしてて下さいね
ちゃんと寝ること 』



久しぶりに、蝶屋敷のベッドの上で横になる

こんなの怪我のうちに入んねェよ、と思うものの体は痛む
あークソ



｢ こんな傷、何ともねぇ… ｣

『 何ともあります!
痛いでしょ、寝た方が治りも早いですよ 』



枕元に薬を置いて、俺に寝るように言って部屋を出ていくA

もう行っちまうのかよ



｢ あー
暇だ ｣



さっき飲んだ薬のせいか、自然と瞼が重くなる
ねみぃ

…



｢ ンあ…? ｣



パチッと目を開いて辺りを見回す



｢ 暗ェな、もう夜か ｣



あれからいつの間にか寝てたのか俺

そのお陰かさっきより体の痛みは幾分かマシになっていた



｢ …あ? ｣

『 …すぅ、すぅ 』

｢ A? ｣



はた、と気づけばベッドに頭を預けて眠ってるそいつの姿

何だこいつ、いつからいたんだ
すぅすぅ寝息を立てて気持ちよさそうに寝てやがる



｢ … ｣

『 …ん、』



その寝顔に、無意識に俺の手が伸びて
スっと頬を撫でる

うわ、肌さらっさらじゃねぇか
柔らかくて、キレイな



｢ ちっせぇなこいつ ｣



俺より小さい背丈も、俺より小さいその手も
何もかも小さいそいつなのに、俺の中では馬鹿でけぇ存在になってやがる

何でこんなにちっせぇのに、お前の存在がこんなにでけぇんだ

この気持ちは、何なんだよ一体



｢ 起きねぇな ｣

『 すぅ、… 』



寝息も小せぇ
守ってやりたくなるくらい、小さい

こいつ見てると、



｢ スキだ ｣



?

スキって、何だ
自然に出た言葉に眉を顰める



『 …ん、いの、すけさん、』

｢ ……また寝言かよ ｣



前にも寝言で名前呼ばれたな
どんな夢見てんだ

俺が出てくんのか



『 す、き… 』

｢ ッ、｣



何だ、それ
どーゆう意味だ、教えろよ

分かんねぇから、教えろ

俺のこの気持ちも、お前のその言葉の意味も



｢ …あ?
何で俺、こいつに顔近づけてんだ…? ｣



いつの間にか、寝ているそいつの顔に距離を詰めていた

近ェ距離

何がしたくて近づいたんだ俺



｢ …わけ、わかんねェ ｣



俺様らしくねぇ
最近ずっとこうだ、こいつに調子狂わされる

だけど嫌じゃねぇから、余計に分かんねぇんだよ



｢ クソ、｣



近づけた顔をどうしていいか分からなくて、
そいつの額に自分の額を押し付ける



｢ スキ、って思うコレは何だよ ｣

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