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体育館の中から、大好きなバレーの音が聞こえてくる。
少し開いている扉から、中の様子をうかがった。
『…………いいな』
楽しくバレーをしている姿に羨む声が漏れる。
それと同時に、あの頃の嫌な思い出が頭を過ぎった。
《天才の先輩には……私たちの気持ちなんて分からないでしょうねッ……！！》
《……これ以上、バレーを嫌いにさせないでください》
思い出すだけで苦しくなる。
呼吸が、出来なくなる。
『ﾊｧｯ……ﾊｧｯ……ﾊｯ……ｯ…………』
冷や汗が溢れて止まらない。
あぁ、まだ全然ダメじゃん。
「えっ、大丈夫！？ほ、保健室ッ……！！」
体育館から出てきたショートの、多分、先輩。
助けて、と言うよりも先に感じたのは、恐怖。
『大丈夫ッ……です、ﾊｯ……すみ、ません』
「落ち着いて、過呼吸になってる……って……あ、ちょっと！！」
背中をさすってくれていた先輩を軽く押し退け、第一体育館から出来るだけ離れようと駆け出した。
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気が付けば、校舎裏まで来ていた。
リュックを前に持ち、壁にもたれてズルズルとしゃがみこむ。
……何やってるんだろう、とりあえず落ち着かないと。
『ﾊｧ…………ﾊｧ…………』
ふぅ、と一呼吸して空を見上げると、烏が飛んでいた。
やっぱり、部活という場所に戻るのは無理なのかもしれない。
『……でも、またいつか、皆と楽しくバレーしたい』
そう呟くと同時に、少し潤んだ瞳を閉じた。
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…………ﾄﾝﾄﾝ……ｷｭ………………ﾄﾝ……
人気のない校舎裏で、微かにバレーの音が聞こえる。
ついさっきあんなことがあったのに、まだ懲りないのかと自分でも思う。
『……どこからだろ』
ゆっくりと立ち、誘われるかのように音のする方へ向かった。
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校舎の角を曲がると、そこには第二体育館があった。
全開になっている扉の側にしゃがみ、そっと中を覗くと、サーブレシーブをしているだろうオレンジ頭と黒髪に、それを見守る黒ジャージ3人……と何故か教頭先生。
黒ジャージの背中には烏野高校排球部と書かれている。
そういえば前に知人が、昔は強かったって話してたっけ。
今は、落ちた強豪、飛べない烏、なんて言われているらしい。
そんなことを考えながら目の前の光景を眺めていると、黒髪がサーブを打つモーションに入った。
……あ、多分これ、強いやつだ。
そう思いながら、ジッと黒髪を見つめた。
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作者(プロフ) - ありがとうございます；；何とか近いうちに更新出来ればなと思ってます！！何卒！！ (11月18日 23時) (
レス) id: 24e3a90be0 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - まってますぞ (11月18日 20時) (レス) @page37 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 優雨-ゆうあめ-さん» ﾋﾝTT温かいお言葉ありがとうございますTT (2022年11月17日 12時) (レス) id: 24e3a90be0 (このIDを非表示/違反報告)
優雨-ゆうあめ-(プロフ) - 更新！ありがとうございます！！！まだかなまだかなとワクワクしながら更新待ってました！自分のペースでいいので！どれだけ時間がかかろうと更新待ってます！ (2022年11月17日 11時) (レス) @page37 id: f3275223be (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - あずきさん» もしや10名弱の方だったり……？？そうでなくとも！！コメ応援ありがとうございます！！これからも頑張ります！！ﾌﾝｽ！！ (2022年6月22日 0時) (レス) id: 24e3a90be0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：作者 | 作成日時：2020年12月26日 2時
