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*
「Aさん」
怒涛の始まりだったなるせ家滞在ももう終わり、そろそろ帰ろうかという時、なんだか改まってなるせに呼ばれた
なんだろう、と思いながらその横に座ると、なんだか緊張しているような雰囲気を感じた
「な、なに？どしたの」
堪えきれず、問いかけてみると、ふぅーと息を吐いて私の手を取りこう言った
「これ、持ってて欲しい」
それと同時に手の平にひんやりした物を渡された
「鍵･･･」
「ん。やっぱり持ってて欲しい。」
「でも･･･」
「ちょっと聞いて？」
私の言葉を遮って見つめてくるなるせ
あたかも告白してくれた時のような目だった
何か考えがあるのだろう。私は口を閉じてなるせの言葉を待った
「いっぱい考えて、やっぱり今回みたいなことがあったらAさんが体調崩しちゃうかもしれないから、それは嫌で、これ、渡したい
でも、渡したからって安心しないから
ちゃんと迎えに行くから
それにあらきさんとかめいちゃんに助けてもらったんだけど、その、あの、すげー、ヤキモチ焼きました･･･」
「え･･･どこに？」
意外な言葉に目を丸くしてしまった
「あらきさんの車乗ったってことは密室に2人ってことじゃん。それにカフェにいた時、隣に座ったし、手握ってた」
んー？そうだったけか？？
まー隣には座ったけど･･･
「他の男の隣に座るのダメ」
「えーでもあらきさんだよ？」
「ん。だめ。あらきさんかっけーから。歌上手いし」
可愛い物言いに思わず吹き出してしまう
「持っててくれる？」
前みたいにいっぱい考えてくれたんだろうな、ということはよく伝わってきたから、それを断る理由はないと思った
「はい。なくさないように大事に持っておきます」
その答えを聞いた瞬間、ふぁー！！っと声を上げて背もたれにバフンと埋また
でも嬉しそうにニコニコしている
その顔を見ていると、無意識に頭を撫でていた
「体調大丈夫？」
「元気だよ^^」
私の体調を本当に心配してくれる
1時間も寒い中外にいさせてしまった、という思いが強いからだろう
ゆっくりと抱き締めてくれ、よかった^^と安心の言葉が聞こえてくる
「夜も連日だけど大丈夫そ？w」
「！！！///それ、は･･･全身筋肉痛///」
「マジごめん」
仲直りのあとは･･･で盛り上がってしまい体は悲鳴をあげている
そんなこんなのなるせ家訪問
大事な物が増えました
fin.
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作者名：カニカニハンマー | 作成日時：2021年11月30日 19時
