49 ページ49
「神の御子は愛されるために生まれてくる。愛し愛され、幸せになることで、その幸せが王国を彩る。」
「すごい…運命の人…」
「ああ。神の御子は愛されないといけない。でも、子孫は絶対に残さない。いつの時代も男として生まれてきて男を愛する。」
「なんか…怖くなってきた…。女の人とも付き合ったけどなぁ…」
「続かなかっただろ？そして、運命の相手でなければ、会う度に天気が悪い。」
「…あ。」
「そう。だから、前のお相手とも、続かないだろうと思っていた。隆平から忠義くんの話を聞いていたけど、前の彼と別れる辺りから話し方が変わってきた。そして直接忠義くんと会ったときに私はビビっときたよ。」
「へ？」
「隆平を見つめる視線とそれを受ける隆平の表情。亮も前々から運命の相手は忠義くんだと思っていたらしい。」
「亮ちゃんが…」
「うん。だから私たちは計画を立てた。隆平が前の失恋でなかなか踏み切れないでいたから、あの機会を利用して、思いきってきみと隆平を引き離したわけ。そしたら恐ろしい自然災害になって…」
「私たち、もう早く会いた行きなさいって思っていたらようやく家を飛び出してね。」
「ほんとにハラハラしたよ。時間が経つごとに恐ろしい嵐になるから、心配した国王からも連絡が来たからね。」
「そうなんや…」
「でも、飛び出して１日２日ですっかり天気が変わった。忠義くん、きみが本当に運命の相手だよ。」
「そうか…だから…」
「え？」
「いや、あの、俺もフラッシュバックがあって。全然違う顔の過去の俺たちが同じように一緒になってる様子が浮かんできて…」
「そうか…忠義くんもずっと運命を背負った人だったんだね。じゃあ、前世から、いや、もっと前から、２人は繰り返し出会っているということか。すごいな。」
自然と２人で見つめあう。想像を越える壮大な関係なんだということに不思議な気持ちになった。
「忠義くん。あとはきみに託します。」
お父さんの言葉がずしっと体に響く。そっと重なる隆平の手。この人を愛していく。そんなこと、当たり前やん。大切に守っていこう。
「わかりました。よろしくお願いします。」
「たっちょん…」
涙を浮かべたマルの瞳。そっと頭を撫でると、幸せそうな笑顔。
「頼むよ。２人の関係が世界に影響するということを忘れないで。」
「はい。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 79人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
orange(プロフ) - ありがとうございます！コメントをいただけてとてもうれしいです。更新、少しのんびりしますが、よろしくお願いします☆ (2021年4月24日 18時) (
レス) id: 7529fcda00 (このIDを非表示/違反報告)
akao(プロフ) - はじめまして^_^いつも更新楽しみにしています☆2人がどうなっていくのかワクワクしてます^_^これからも更新無理なく頑張ってください^_^ (2021年4月21日 19時) (レス) id: 078dcaab9a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：orange | 作成日時：2021年3月21日 20時
