百六拾四、有名人 ページ14
Aside
「…居た」
少し離れたところにパトカーを止めて取引現場のビルに潜入した私達は、主犯である田安の姿を見つけた
彼と新たに加わった役人らが取引してる様子を屋根裏からカメラに収め、突入するタイミングを伺う
銀「あのキツネみたいな老人がそうか」
「いかにも悪どいことやってそうな顔でしょう」
銀「…どうすんだ」
「殺す。あの“化け狐”だけ」
刀の柄に手を掛け、「行こう」と短く合図をして彼らの前に飛び降りる
「あんたらの今の行いは全て見せてもらった」
部下「だ、誰だお前ら!」
田「ほう、貴女が噂に聞く真選組の女隊士か」
「…知ってるのね」
こんな人達にも名が知られてるなんて、何時から私は有名人になったのだろうか
…なんてくだらないことを思いながら剣先をそいつに向ける
「…真選組局長補佐の倉田、…いや、
銀「っ…!」
銀時が背後で息を飲んだのが分かった
そう、私は“天野A”
もうあってないような名字だけど、今だけはこの名を名乗る
「…悪いけど、今回の悪行に興味は無い。これはただの
フッと笑うが否や飛びかかってくる浪士達
一瞬のうちにしてこの空間が金属音や怒号によって満たされる
この部屋にはざっと十人、でもそのうち他階からもやってくるだろう
そこそこの雑魚ぞろいだけど手間はかかるわけで、少し距離の離れた田安達は部下に誘導されながら階下へ向かっている
「待てっ…!田安!」
そっちへ行こうとしても、行く手を阻まれる
「邪魔臭い…!」
銀「先行け!」
「でも」
近くに居た銀時と背中を合わせ、体制を整える
銀「こんな奴らなら俺一人でも十分だろ」
「もう息切らしてるくせに」
銀「いいから行け!逃げられてぇのか!」
グズグズしてる私の腕を掴み、木刀を振るいながら出入り口へ走っていく銀時
そして私を外へ追いやると、ドアを閉めた
「銀時っ!!!」
銀「走れ!今なら追い付く!!」
113人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ユコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oorsayui/
作成日時:2018年3月27日 3時