Week End 2 (ページ15)

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昔の話でもしましょうか izw ページ15

ある休日、伊沢さんの部屋の掃除を手伝っていた。私も部屋の掃除の手伝いを任されるまで成長したんだなぁ、とちょっと嬉しくなる

『ここすごいでしょう』

「すごいですねぇ」

彼が指さしたのは黒い棚。伊沢さん曰くその棚はやけに凝ったらしく、今まで出した本やグッズ、写真が綺麗に並べられている

『伊沢拓司の歴史が知りたければここ見るといいよ』

なんてちょっとドヤ顔する社長を横に写真を眺めた

「…すごい全部飾ってるんですね」

『だって大事な思い出じゃん？』

目に見える位置に置いときたいし？と笑う

「…なんか伊沢さん全然違いますねぇ」

『ほんと？』

「めちゃくちゃ垢抜けてます」

写真の中にいるあどけないメガネの少年が、私の横にいるコンタクトを着け、髪にはちょっとパーマをかけた伊沢さんだと初めて知った人は驚くだろう

『身なりに気を配るようになったのマジで大学からなんだよなぁ…笑』

テレビとか出るようになったら尚更ね～、この頃の俺かわいいなぁ、なんて写真を眺める伊沢さん

「…いやぁ、変わりましたねぇ」

思わずポソッと呟く。すると彼は写真立てを1つ手に取った

『まぁ変わったように見えるけど外っ面だけね、』

『本質はなんも変わってないよ？』

なんて白目をむいてちょっと変顔する彼

確かに身なりは多少変わろうと、彼が彼である事に変わりはない訳で

「…あー確かに成長はしてないみたいですね笑」

『えぇまってそれは言い過ぎ笑』

ちょっとは成長したもーん、なんて言う伊沢さん。写真の中の笑顔の彼と、私の横で笑う彼の笑顔が同じことに安心した。どんなに見た目が変わってもその笑顔があればそれでいいな、なんて

→どんどん変わっていく彼に最初は戸惑います。でも安心しましょ。中身はずっと変わりませんから