ヴィラン ページ23
Aside
『ただいまぁ〜。』
のんびりと返事をして、まるで城のような氷山の一角に建つ家に行けば
母「あら、おかえりなさい。」
と言われ、久しぶりね、と頭を撫でられる。
『もうっ、子供じゃないから。』
そういって頬を膨らませれば、あらあらとため息交じりの声。
私の家族には父親はいない。
父親は出て行った、いや正しく言えば、役目を果たしたのだ。
雪の帝国では、雪の魔法は禁忌なのだ。
何故かって？そんなの簡単でしょう。雪の降る街に雪はいらないから。
この国では雪を溶かす、例えば火の魔法を使う者が奨励されやすいのだ。
しかし、たとえどれだけ火の魔法士が集ったところで、雪の帝国の雪は溶かせない。
真実の愛、それだけが雪を溶かす道なのだ。しかし、それは容易ではなかった。
雪が忌み嫌われるこの国で私を含め一族を愛してくれた者は誰一人としていなかった。
だが、私たちが滅びれば、雪を溶かす術がなくなる。
だから、雪の帝国から一人の男が選ばれ、私たち一族を絶やさぬよう、
愛のない房事の元、子を孕ませるのだ。
そして私はそれを１７歳で行う。
つまり、来年。
だから、私は一年しか学園にいられないのだ。
『真実の愛を見つけたと思ったけどなぁ………』
ジェイド先輩の顔を思い出しブンブンと頭を振る。
自分だけの一方的な好意じゃ真実の愛とは言えない。
だから
家の外に出て、魔法で雪だるまを作る。
三等身の雪だるまを。
『所詮、私はヴィランの末裔だし………』
そう言って、キッチンにあった人参を一番上の雪玉に突き刺す。
『真実の愛はやっぱり訪れないの………？』
流した涙は寒さのせいで足元に落ちるより先に、顔で固まった。
その願いをかなえようとしていた
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肘 - え、好き…。神作品… (2023年1月7日 2時) (
レス) @page47 id: 0464914362 (このIDを非表示/違反報告)
雨多 - あー！！！失礼いたしました！！漢字間違って2回とも同じようなコメントをしてしまいました！！すみません！！ (2020年8月3日 8時) (レス) id: e50f7477b6 (このIDを非表示/違反報告)
雨多 - 農場GOGOって…何そのTシャツほしい…通販で売ってるかな？← (2020年8月3日 8時) (レス) id: e50f7477b6 (このIDを非表示/違反報告)
雨多 - 農業GOGOって…何そのTシャツほしい…通販で売ってるかな？← (2020年8月3日 8時) (レス) id: e50f7477b6 (このIDを非表示/違反報告)
よる - はわぁ！！オチが素晴らしいですね！！素直になれないのに心がキュウってしてムズムズしました！こう、くすぐったいんですよ(伝われ)読みやすくて面白かったです！素晴らしい作品を作っていただきありがとうございました！！ (2020年7月28日 1時) (レス) id: 68950930bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たこきんぐ | 作成日時：2020年6月1日 21時
