*依頼 ページ29
.
「ってことで、誰か私の彼氏役になってくれる人、探してくれませんか?」
「いやいやいや、どこで繋がったんですか、前の話ですか!?」
「そんな細かいこと気にすんなヨ、ぱっつあん。」
昨日の今日で考えたのか、Aは俺の元に……いや、正しくは万事屋銀ちゃんに依頼として頼んできた。
依頼内容は、お見合いをどうしてもやりたくないとの事で、彼氏がいるという体で追っ払いたいと。
「彼氏役なら、私がやるアル。」
「神楽ちゃんは女の子だから」
「出来るもん。1回ホストやったもん」
「懐かしいネタぶっ込んできたな」
「でも、それでいいのか?A」
いちご牛乳を飲みながら、目の前に座るAに聞くと、渋々頷いた。
「片想い相手にそんな事頼むのは気が引けるし、そのままお見合いするのも嫌だし……
結局考えついたのは、これだった。」
「……どうします?銀さん。」
「どうするったって……」
「……だめ?今回は報酬金出すし」
そう言って、分厚い封筒を差し出したA。
まぁ、確かにそろそろ金も尽きてきた頃合で、この量は喜んで引き受けるが、依頼人が依頼人だからな……
「すごいヨ、銀ちゃん!!めっさ大金入ってるアル!!」
「確かに。Aさん、いいんですか?こんな量……」
「うん……
どうかな、銀時」
「……あぁ〜っ!!ったく、わーったよ。引き受けりゃいいんだろ」
俺ァ、昔っからAの必殺上目遣いは弱いんだ。
頭をガシガシかきながら了承すると、ホッとした顔で新八が出したお茶を飲んだ。
「でも、どうするんですか?
Aさんの事だから、募集すればかぶき町どころか、江戸に住んでる男の人たちがみんな彼氏役に手を挙げますよ。」
「何言ってるアルか、新八!!
A姉の彼氏役は、私たちが知ってる人にするに決まってるアル。
そこら辺歩いてる男どもは、みんな鼻の下伸ばしてデレデレするに決まってるアル!!」
「すげぇ言い方だな。
でも、知ってる人って言ったって、桂さんは実のお兄さんだし……」
「近藤はゴリラだしな」
「土方さんは……」
「あいつはダメだ。つーか、マヨにAは渡さねぇ」
「渡さないってなんですか、銀さん。」
19人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
rikohuku0428(プロフ) - 続きのパスワードが知りたいです!面白いのでぜひお願いします! (2020年11月23日 0時) (レス) id: 4dacac16ea (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:どこかのムスメ | 作成日時:2018年8月23日 12時