*喧嘩しないでよ ページ11
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「っと……大丈夫か」
「すみませ……ちょっと、立ちくらみが……っ、ケホッ、ケホッケホッ……」
話の途中に咳き込むと、土方さんは目を見開いて私のおでこに手を当てた。
「熱は無い見てぇだな……どこか辛いところはあるか?」
「いえ……ほんとに、大丈夫ですから」
「って言われても……本当に、どこも悪くないんだな?」
「はい。安心してください」
「……納得いかねぇが……わかった。じゃあ、車まで行くか」
そう言いながら、また倒れないように、さり気なく腰に手を回して、一緒の歩幅で歩いてくれる土方さんに感謝しながら、車まで向かった。
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「ごめんなさい……ここまで来てもらっちゃって……」
送ってもらったのは言いものの、万事屋の引き戸の前まで連れてきてもらった。
「いい。俺が好きでしたことだ」
「……ふふっ」
「あ"?」
「いや、天人を助けた時も、私、今土方さんが言った事と、全く同じことを言ったんです。だから、ちょっとおかしくて」
「っ/ / /」
私がそう言うと、急に顔を赤くした土方さんに首を傾げた。
すると、突然目の前の引き戸が開き、不機嫌そうな顔で銀時が出てきた。
「おいおい、他人ン家の前で何いちゃついてんだ」
「銀時、おはよう。起きるの遅くない?」
「うるせぇよ。いいんだ、今日は仕事ねぇから、休日だから
……で?なんで、お前がいるわけ?多串君」
「だァから!多串じゃねぇつってんだろ!!」
「あ〜、ったく、っるせぇなぁ」
「……ほら、仕事だ。」
「仕事?てめぇがか」
「ちげぇよ!俺は、これから仕事だ!!」
「用があるのは、私。土方さんには、近藤さんに借りた着物を返した後に、ここまで送ってもらったの。……ちょっと、ふらついちゃって」
私が正直に言うと、土方さん同様目を見開いて、肩を掴んだ。
「大丈夫か?!どこか悪いのか?」
「だ、大丈夫だってば……もう、土方さんも銀時も心配性なんだから……」
「万事屋、Aの事頼んだぞ。
じゃあな、また来いよ。甘味処にも行っから」
「あ、はい。ありがとうございました、土方さん。お仕事、頑張ってくださいね」
土方さんは、私の頭を優しく撫でてからパトカーに戻っていき、それを私が見送ると、後ろから抱き着かれた。
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rikohuku0428(プロフ) - 続きのパスワードが知りたいです!面白いのでぜひお願いします! (2020年11月23日 0時) (レス) id: 4dacac16ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:どこかのムスメ | 作成日時:2018年8月23日 12時