検索窓
今日:5 hit、昨日:2 hit、合計:3,381 hit

染まれ染まれ。 4 ページ5

おそ松は手を合わせてごめんなさいのポーズを取りながら、トド松に謝り倒していた。
「トドちゃん許してー、プリン買ってあげるからー!」
 トド松はそんなおそ松を一瞥し、一つため息を吐くと、ぼそっと呟いた。
「……プリン屋BATON」
「え?」
 おそ松が呆けた声を上げる。
「そこの命プリン買ってきたら許してあげる」
 トド松が未だにぶすっとした不機嫌な顔のままそれでも妥協案を出してくれる。
「トド松……! さっすが! 俺おまえのそういうとこ大好き!!」
「天美卵の命プリンも追加しようか?」
 輝いた笑顔でそう言うおそ松に、トド松が素早くそう言い放つ。
「えー何でだよー、褒めてんのにー。それに好きじゃないわけないだろ。俺の可愛い可愛い弟なのに」
「……ほんっと兄さんのそういうところずるいと思う。許すよ許す。許せばいいんでしょ。でもプリンは買ってね」
 不服そうな顔から一転、真剣な表情でそう言うおそ松に、トド松は居心地悪そうな感じで許しを与えた。
(トド松……、気持ちはよくわかるよ……)
 意図せず見てしまったおそ松のずるさがあふれる行動と、それに負ける弟に激しく同情する。
「えっ、マジで! やった! トド松さっすが俺の可愛い弟!!」
「ちょっと抱きつかないでくれる!? てかボクが可愛いのは当たり前だから!!」
 満面の笑みでトド松に抱きつくおそ松と、それに内心は嬉しいくせに鬱陶しい顔をして引き剥がそうとする弟。
 家族、それに自分にとっても可愛い弟であるので、嫉妬の気持ちは湧かなかった。
 無邪気にじゃれ合う二人の姿を、ただ一松は目に焼き付ける。
「……何やってんの?」
 と、おそ松とトド松の後ろの方から呆れた顔をした三男が現れた。
 その登場にじゃれ合いを止めてしまった二人に名残惜しさを覚えながらも、チョロ松に意識を向ける。
「男同士のじゃれ合いなんて需要無いからやめてよね。さっさと仕事済ませようよ」
(いや、需要はあるよチョロ松兄さん。ここに
その供給者がいるからね)
 可愛い想い人と可愛い弟のじゃれ合いなど得でしかない。むしろもっと触れ合ってくれても構わない。
「それもそうだな」
 だがしかし、おそ松はそう言ってあっさりトド松から体を離してしまった。
 すると瞬間、ふっ、と笑顔から無表情に変わった。胸が高鳴る。
 仕事モードだ。
 おそ松は忘れ去られていたガムテープでぐるぐる巻きにされた男に近づき、しゃがみ込んで顔を近づけて喋り始めた。

染まれ染まれ。 5→←染まれ染まれ。 3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (2 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
3人がお気に入り
設定タグ:おそ松さん , BL松 , 完全リクエスト制   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

野口 - 今回のお話は、なんて言うか、さすが兄さんみたいな感じで、かくなるうえは!新星病みこわかわいい! 次回のお話もとても楽しみにしてます! (2017年11月14日 22時) (レス) id: 19852ab4e1 (このIDを非表示/違反報告)
野口 - 読むの遅くなりましたが、今回も最高でした!パーカー松本当に好きで、自分好みの文章を書いてくださるAsterさんに、自分好みのお話を書いていただいて本当に嬉しいです! (2017年11月14日 22時) (レス) id: 19852ab4e1 (このIDを非表示/違反報告)
Aster - 野口さん» ありがとうございます! 更新が遅くなって申し訳ありません! 今回の話は全然自信が無いです……。時間を見つけてぼちぼち執筆していきますのでよろしくお願いします。 (2017年8月15日 18時) (レス) id: 6f6df49f3d (このIDを非表示/違反報告)
野口 - 新作おめでとうございます! (2017年1月19日 18時) (レス) id: 9a188fa29d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Aster | 作成日時:2017年1月13日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。