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私は観客席に浮かない表情をして戻った。
「キルア…勝ったよ。」
「よかったじゃん!どうしたんだよ?そんな表情して。喜べよ。」
彼は心底理解できないといった表情で私を見る。
そりゃそうだ、私の過ごした環境は彼と私じゃ別世界だ、文字通り。
それも彼が住んでいるのはは私の居た世界より死にやすいこの世界の中でも死に限りなく近い世界。
認識の差が大きく出ないはずは無い。
「始めて、思い切り人を殴ったの、その感覚が、怖くて。」
理解されないだろう、そう思ったが本当の事を言った。
彼はキョトンとして何とも言えない表情を浮かべた。
「何言ってんだよ。殴らなきゃお前が傷つくし、ここは殴って金を得るとこだぞ。どこが悪いんだよ。」
彼の言うとおりだ、この場所では。
でも、私の倫理観が邪魔をするんだ、人を傷付けちゃいけないって。
これは、長年の生活で染み付いたものである、一朝一夕で修正など出来ない。
どれだけこの感性がこの場所に異質であろうと、直したく思っていたとしても、どうしようも出来ないものなんだ。
この場では相手も殴られることを許容している。
でも、罪悪感が残るのだ。
これを詳しく説明することは出来ない、感覚的なものだから。
だから、ぼんやりとしか説明できない。
「うーん、平和なとこで傷つけちゃいけないって育ったの、だからかな? 私は目一杯人を殴ることにスッゴい抵抗感があるの。」
「ふーん、わかんねぇわ。」
やっぱり、この感覚はキルアのものとは相容れないようだ。
ここの常識は理解は出来るけど、その感覚には慣れそうにない。
いつか、この世界に長居して倫理観が少し崩れる日が来るかもしれない。
でも、それは遠い日の話のように思える。
矢張、世界が違うとどうしよもなく実感せざるおえなかった。
私の始めての天空闘技場での試合によって、私は強くなったこと、元居た世界との考え方の違いを強く実感させられた。
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†NANA†(プロフ) - ページ2で、「HUNTER×HUNTER」が「HHUNTER×HUNTER」になっています。 (2021年3月15日 11時) (レス) id: 9dc612bbe9 (このIDを非表示/違反報告)
ミネルバ(プロフ) - ゆーめーさん» 有難う御座います! まあまあ長めの小説なので、先を読もうと思いますと言われると、とても嬉しいです!! 楽しんで読んでください!!! (2020年11月29日 0時) (レス) id: b85da6c807 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーめー(プロフ) - とても面白かったです!続編も今から読ませていただきます! (2020年11月28日 10時) (レス) id: dfce067a28 (このIDを非表示/違反報告)
ミネルバ(プロフ) - ヘマトフィリィアさん» コメント有り難う御座います。個人的にも、能面黒髪キューティクルは語感が良くて気に入ってます。今後も、彼はちょくちょく出てくるので、楽しみにしていてください!! (2020年11月14日 0時) (レス) id: b85da6c807 (このIDを非表示/違反報告)
ヘマトフィリィア - 【速報 能面黒髪キューティクルがイケメン】 (2020年9月20日 12時) (レス) id: a69079c5f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミネルバ | 作成日時:2019年7月30日 23時