文化祭委員 ページ9
さて、遡ってお昼。
ここ青葉城西の夏休み前最後の日は基本的に部活動のためにある。
授業に至ってはなく、期末テストが返されて、連絡のプリントや体育祭と文化祭の役員決めがあるくらいだ。
それらは主にクラス委員長によって進められるため、実質先生方のやることはない。かなり暇そうである。
冬木「じゃあ、今から文化祭役員を決めていきます。
男女一人ずつだけど、やりたい人は?」
シーンとするクラスの中、私一人がすっと手をあげる。
そう、私が学校でやることに口を出し始めた篠原の家のお爺さんは今度行われる文化祭の実行委員、それも本部の委員長か副委員長をやれと言ってきた。
…ただの平委員ではダメなようだ。
多分、私の技量を試されているところもあるのだろう。
この学校、文化祭にそこそこ力入れるし…
…高3になる前に家のことを知らされていたら生徒会に入れと言われていそうだ。
冬木「じゃあ、女子は篠原さんに決まりね!
男子の方は…」
冬木和代委員長は私の名前を黒板に書き記す。
綺麗な字だなぁとぼーっと前を見ていると、彼女ににこりと微笑まれたので微笑み返す。
冬木「七瀬くんで決まりかな。
16時から委員会あるから二人で行ってね!
プリントを配るから…」
こうして私はよく知らない
徹は面白くなさそうな顔をしていたが、部活動の主将ならびに副主将は委員会に立候補できない決まりなので仕方がない。
ーーーーーー
七瀬「ちゃんと話したのは初めてかもね。
俺は七瀬唯、好きなように呼んで。篠原ちゃんよろしく。」
部活を途中で抜けた私たちは会議室へと向かう。
人懐っこい笑みを浮かべる七瀬くんと握手をする。
プリントとかの関係で話したことはあるかもしれないがちゃんと話すのは確かに初めてだ。
さらりとしたこげ茶の髪にスクエアのメガネ。
背は高い。はじめと変わらないくらいだろうか。
『私、委員長に立候補しようと思うんだけど、いいかな』
あくまで疑問符をつけずに聞く。
パッと顔を明るくした彼は頷いた。
どうやら、彼も家の事情で委員になったらしく、ちょうどなりたかったそうだ。
文化祭委員長、副委員長は円滑な情報の流れのために同じクラスであることが望ましいとされているためちょうどいいだろう。
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作者名:あやにゃん | 作成日時:2019年4月16日 0時