最終日 ページ41
ー自分視点ー
あれだけ眠かったとしても、朝はどうしても早く目が覚めるらしい。
とりあえずタオルケットの中で皐月さんからの若干お怒りメールに返信する。
…昨日の夜報告するの忘れててごめんなさい…と。
可愛い猫のスタンプを添えておくが、そんなもので許すとでも?、と言われる未来が見えているのがなんだかあれだ。
でも少しは和むかな、と思って無駄な足掻きをしてみる。
やはり布団の中では暇な私は本を持って外に出る。
爽やかペナルティーダッシュ坂に寝転がり、活字を追う。
数ページ読み進めて区切りのいいところで本を閉じた。
もうすぐ朝ご飯の準備を始めなければいけないのでゆっくりと立ち、坂を後にする。
食堂に入れば今日はスガくんはいなく、代わりにと言ってはなんだがクロくんが座っている。
結構眠そうで…今日の練習大丈夫だろうか?
『おはよう、クロくん。眠そうだね?』
くあぁ、と大きな欠伸をする彼にコップに注いだオレンジジュースを渡してみる。
この前紅茶くれたお礼、と言いたいところだけど冷蔵庫に入っていて誰でも飲めるためそういうわけではない。
あとで何かしてあげよう。
黒尾「ん、ちょっとね。
ご飯炊くのとか手伝うよ。こう見えても意外と家事得意なんデスヨ。」
ニンマリ若干ドヤ顔の彼はジュースを一気に飲み干してキッチンにやってきた。
選手に手伝ってもらうというのはいかがなものかとも思ったけど、押しの強さに負けてしまいお願いすることにした。
ついでにピンクのエプロンも着せてみたけれど、思った以上に似合わなさすぎてかなり笑えたのは言わないでおこう。
ーーーーーー
『みんな、お疲れ様!
これで全試合終わりで、BBQだよ。』
スコアや打率を書き込んだ紙をクロくんに渡して、スポドリを配っていく。
最後は勝利でしめた音駒は晴々とした表情だ。
リエーフに至ってはお肉が楽しみすぎてビョンビョンと飛び回っている。
夜久「おう、篠原もこの一週間サンキューな!
マネージャーいるだけでこんなに違うとはって感じ。」
ニッカリ笑うやっくんと握手をする。
背は高くはない方だけど、こういうところがなんだかお母さんのような、お父さんのような器の大きさを見せる。
『ううん、こちらこそ楽しかった!』
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作者名:あやにゃん | 作成日時:2019年4月16日 0時