漆話 ページ8
「どうぞ。」
「ありがとうございます。」
Aはしのぶから白い紙袋を受けとる。中身は薬が一週間分入っている。
「それにしても熱が下がらないなんて……一回詳しく診察した方がよろしいのでは？」
「いえ、大丈夫です。そのうち良くなりますから。」
下弦の鬼との戦闘後、中々熱の下がらないAを心配するしのぶだがAはいたって平気そうに答える。
「この後何かご予定でもありますか？」
「はい。これから不死川先輩に求婚しに行こうかと思ってます。」
「じゃあ暇ですね。良ければ貴方に見てもらいたい隊士がいるんです。」
そう言うとしのぶは襖を開けて、ついてこいと言わんばかりに廊下をスタスタと歩いていく。
その背中を必死に追いながらAはしのぶに疑問に思っていることを質問する。
「その見てほしい隊士とは誰のことですか？」
「柱合会議の際に鬼を連れていたあの少年のことを覚えていますか？」
「……あぁ、あの不死川先輩に頭突きをした妹愛のすごい少年ですか。」
柱相手に頭突きをかました少年のことはAの記憶に残っていた。
不死川が先に手を出したとはいえ上司相手にあんな無礼な振る舞いをした少年に対してAはあまり良い印象を抱いていなかった。
「それではその少年に私が愛柱として愛の鞭を振れば良いのですね。」
「はい。ビシバシ鍛えて上げてくださいね。」
不死川先輩に今度お会いしたときの話の話題になるかもしれないですし、と意気込むAを母親の様に優しくしのぶは見つめる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 978人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
るる - 読んでて勝手に涙が出るくらい素敵な作品です。涙が止まりません… (2022年8月25日 23時) (
レス) @page45 id: a731806c24 (このIDを非表示/違反報告)
零流 - 涙が止まらないです… (2020年5月28日 11時) (レス) id: 5357f72739 (このIDを非表示/違反報告)
舞 - 色んな作品を毎回楽しませてもらってます！本当にお上手ですね！今回は悲しくて涙が出てしまいました…他の作品も楽しみにしています！ (2020年4月4日 1時) (レス) id: 536eb77c6b (このIDを非表示/違反報告)
遥 - いいお話です。涙が出ました‥ (2020年3月26日 11時) (レス) id: 89c9ae8a6f (このIDを非表示/違反報告)
なななななな - 今年初めてガチ泣きしました… (2020年3月2日 11時) (レス) id: 967fb8e362 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：AOI 3
| 作成日時：2019年9月21日 14時
