織田作にドッキリとか絶対無理じゃね？ と思った今日この頃。【黒の時代】

連絡先交換、其の肆 ページ28

『へ？ 愛人？』



そうやって私が間抜けな声を出してしまったのも致し方ないと思う。だってあの首領(ロリコン)だぞ、守備範囲12歳以下だぞ。

そんな風などう考えてもありえないでしょという視線を向ければ、中也さんも苦々し気な顔で「そうだ」と云った。大勢に広まっている訳ではないが、多分紅葉さんや太宰さんぐらいの地位の人ならほとんどが知っているぐらいには広まっていたそうだ。


マジかよ。




『全く知らない』

「だろうな」

『どういう意味ですか』




鋭い視線を向けると、苦笑したまま頭をぽんぽんと撫でられる。……どうせならぽんぽんじゃなくて普通に撫でてくれないだろうか。多分こうやって上下に撫でられるから私の背が縮むんだと思う。

……つかあの人に愛人……？ 愛幼女疑惑じゃなくて？

もしや前に首領と出かけたのが決定打だったのだろうか。エリスちゃんの洋服を買いに行っただけだったのだが……。



「……まぁ、手前だって知れた事だけでも良いわ。で、アドレス交換、するんじゃねェのか？」

『あ、忘れてた』



いや、首領愛人事件が衝撃過ぎてさ……。

携帯を借り、先程の姐さんのこともあったのですぐに終わった。ありがとう御座いまーす、と笑って御礼を云うと、「伸ばすな」とまるでお母さんのようなことを云われる。はいはいと適当にあしらっても「はいは一回だろ」と小突かれる。


思わず私が『お母さんですか！？』と叫んだのも仕方がない。



「いや誰がだァ！」



中也さんの執務室を出た後、太宰さんが貸してくれた見取り図を頼りに安吾さんの部屋へ向かう。多少遠かったが、まあ管轄が違えば遠いのは当然だよな、なんて考えながら足を踏み出した。

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