きゃ！どんどん強くなっちゃう！２ (ページ35)

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「姉さん困るよ、キルアはゾルディック家の後継なんだから」

イルミの小言をすぐ隣で聞き流す私
彼はこうなるとずっとこうだから流すに限るのだ

『尚更じゃない？』

「ママがどんなヒステリー起こすか…」

ミルキもこの件についてはイルミ派
カルトはまだ小さいのでよくわからないと私たちを見てる

『可愛い子には旅をさせよって言葉があるじゃないの～』

「普通の子ならね。キルはまだ暗殺者として完成してないし、俺たちはいろんなところから恨み買ってる、無責任に手放せないでしょ」

「姉さんを無責任なんて思わないけどさ～、姉さんとコイツじゃ立場が違うんだよ」

キルアは自分の話なのに置いてけぼりを食らっている状態。カルトと2人でおもちゃ付きのお菓子で遊んでる

『キル～、負けちゃダメよ？姉さんは応援してるからね！』

「任せといて、いざとなったら全員ぶっ殺して出て行くから！」

「…」

物騒な言葉が飛び交うがこの家では冗談じゃないのが怖いところだ

イルミとミルキはお母様似なのは見た目だけじゃない
それを言うと私とキルアもお父様似だ、性格も

だから家族で対立する時は決まってそうだ。
お父様はお母様に甘いのでこちらの軍配はなかなか上がらないが

『姉さんは弟みんなを応援してるのよ？』

そう言いイルミを撫で撫でする
少しふてくされたように目を伏せていたイルミ
なんだかんだイルミが1番の苦労人だからな
たくさん甘やかさないと

『イルミは長男だからみんなの心配してくれて本当に偉いな～、お兄ちゃんの鏡！おまけに仕事も完璧！弟の教育も完璧！すごいな～偉いな～自慢の弟だな～大好き～』

「姉さん態とらしく機嫌取らないでよね」

ギュ

そんなこと言いながら私にギュッとしてくる
手篭めにされて腑に落ちないけど、嬉しいことは嬉しいようだ

可愛いなあ！

画面の向こうではイル兄ばっかりずりぃーぞ！とまたもやブーイングの嵐

イルミは弟たちを一切見ていない。完璧な無視を決め込んでいる。いや、堪能している。

TVの向こう側では、これのどこが完璧な兄だ！姉さんを独り占めすんな！などなど弟たちの猛抗議が

さすがにイルミはTVの方に顔を向けた
ピタッと罵声を送るのを辞める弟たち

「…うるさい」

ピッ

『あ』

イルミは躊躇なくテレビ通話を切りやがった

こらこらそれは弟たちの反感買うぞ

イルミはやれやれと言いながら続けろと言わんばかりに見つめてきた

『はいはい』

私は苦笑しながらイルミを撫で撫でした