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23「白い写輪眼」 ページ28

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里に着いてみんなそれぞれ解散していく。


カカ「A、ちょっといいか」

『?』


ひとりになったところで呼び止められる。
その場にあった木の塀に寄りかかりながら
さらに質問を投げかけてくる


カカ「あの時、まさか本当に時を止めたのか?」

『…はい』

カカ「…なるほど。目の変化のことは気づいてるか?」

『いえ。あ、変化といえば。木登りの夜に一度目の奥が疼きました』

カカ「その時に開眼したのかもしれないな」

『開眼…?』


カカ「あの時が止まってる間、Aの目は白い目の写輪眼になっていたぞ」


『…わたしが、写輪眼?? あの、そもそも白い写輪眼なんてあるんですか?』

カカ「いや、そんなもの聞いたことがないよ。ひとつ言えることは、A…お前の身にただならぬものが秘められているということだ」



心当たりがなくもない
むしろ、心当たりしかない
時空間忍術や引力の術は自然と使えたし
氷遁のチャクラ性質
そして月の満ち欠けのたびに力が強まる体
あと、女の子の声も変な事のひとつ


『そう、ですか……』


なんだか力が入らなくなり
側にあったベンチに腰掛ける。


『……』

カカ「A」


カカシ先生は頭をくしゃくしゃしてどうしたらいいかなあと考える
そしてベンチでなく、目の前でしゃがみ
視線を合わせてくれた


カカ「ひとりで抱え込むな」


ポタ…ポタ


手の甲に、膝に水玉が落ちてはじける

その手がカカシ先生の手に包まれる
先生の手まで涙で濡れてしまう

こんな風に向き合ってくれる大人はいなかった。
わたしが手のかからない子だから
放っておいても大丈夫だなんて思われてるんだって思ってた



『忍として、強くなればなるほど守れるものができる。それは嬉しいことだけど、わたし、怖いんです。修行して努力で身についた力じゃないから、わたしじゃない何かになってしまうんじゃないかって……』


さっきから体の震えが止まらない
泣いてるせいなのか、不安からなのか…


『先生ぇ、こういう時どうしたらいいのかわからないです…』

カカ「……んー。俺もわからないが、そうだなあ…」


隣に座って、ギュ、と震えの止まらない体を抱きしめてくれた。


カカ「Aみたいな子は、もう少し甘えていいと思うよ」

『…う、ぐずっ』


わたしからも、カカシ先生の胸元に、ぎゅっとしがみつく

24「甘え方がわからない」→←22「たからもの」



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作者名:赤成 | 作成日時:2019年2月25日 11時

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