月の子-もうひとりのかぐや姫-【カカシ、オビト夢】 (ページ11)

今日:8 hit、昨日:7 hit、合計:89,994 hit

6「頼りがいのある先生」ページ11

.

カカ「おいA。大丈夫か？」

『……？』

気づいたら周りはもう帰っていた

カカ「まだ具合悪そうだな」

『わたし、いままでどうしてたんですか？確か…先生が掟や仲間の話をしていて……なんでもうみんな居ないの？』

カカ「覚えてないのか？その話から苦しそうでみんな心配してたんだよ。大丈夫だって平気そうだったから解散して……」

『あ…そっか、大丈夫って言った気がする』

思い出した。苦しいのを心配されないように、無意識に嘘ついてたんだ。

カカ「心配だな。家まで送るよ」

『いえ！もう、大丈夫ですから』

カカ「いいや、また具合悪くなったりしたらどうする。正式に部下になったからには責任持たないとダメなの」

『では…すみませんが』

こうして家まで送ってもらうことになった。

『あの。霧隠れでのこと……』

カカ「ん？」

『血継限界の能力が出たのは1年くらい前なので、関係ないと思うんです』

カカ「過去のことは忘れろ、詮索するな、がルールなんだろ？」

でも、どうしてもこの人には聞きたい

『そのルールを徹底しようとするのって、内通者だけだと思うんですよね、経験上』

カカ「！」

『このルールを全員に知らせるのは逆に危険なんです。わたしの存在を悪用しようとする人が出るから』

そう、
わたしはルールを聞かされて、この里にとどまる為に守ってきた。
けれど興味津々に聞く人や、部外者をよく思わない人にたちによく過去の話を持ち出された。
その度に、あまり覚えてませんと答えてきた。

カカ「まぁ……俺は担当上忍だし？ルールくらい知ってる。とはいえ、だからこそ知っておきたい気持ちもある」

『なるほど……』

わたしは複雑な気持ちが顔に出てしまう。
それを察してか

カカ「いや…無理にとは言わないよ。今日はしっかり休んで。とてもナイーブな話だと思うから、その気になったらまた話してよ」

『先生…。あ、でもルールは？』

カカ「仲間のメンタル面守る為なら破ってもいいんじゃない？」

『ふふ、先生らしいですね』

カカ「ただし、先ずは俺だけにね」

にこっ。
唯一出てる右目だけでもわかる、優しい表情。

『わかりました』

最初厳しそうな先生だと思ったけど、案外優しいのかも。
家の前でお礼を言って別れた。