【銀魂】今日もお江戸は平和です

第二十八訓 ページ29

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「山崎の野郎おせーな」



そう呟いた近藤さんに何かあったのかと聞けば、お上がたこ焼きを食べたいと言い出したらしく、山崎が買いに行っているんだとか。

…そういやさっき、山崎にお好み焼きを買ってこいと頼んだっけ。そのせいかもしれない。

まぁトロい山崎が悪いから仕方ないと諦めた時、両手に袋持ち、小走り気味に山崎が帰ってきた。



「おせーぞ！！マヨネーズもちゃんと付けてもらったろーな！！」



マヨネーズはどうでも良いが、念の為にと中身を確認すると山崎が食べたとしか思えない食べかけのたこ焼きが。

…ちょっと待て、



「山崎、私が頼んだお好み焼きは…」

「実は急いでたもんで途中すっ転んでぶちまけちまいました。すみません山崎退一生の不覚」

「そーか。俺は口元の青のりの方が一生の不覚だと思うがな」

「食べ、え？食べたの？楽しみにしてたのに…？」



山崎の胸倉を掴み「え？｣「なんとか言えよ」｢え？」を繰り返し何度も揺らす。ボコそうとしたら、これは途中で買ったお好み焼きの青のりだと。



「やっぱ食べてんじゃねーか！ボケ！」

「お前は食い過ぎだ！ちょっとは抑えろ！！オイどーするよ…って食ってる！？」



もぐもぐたこ焼きを食べながら「そうカリカリすんな」と。「今日はもう何も起こらないだろうしハメはずそーぜ」なんて言ってる近藤さん。

はァ？コッチはお好み焼き(子供)殺されたんですけど？



「何寝ボケたこと言ってんだ、この会場のどこかに高杉の奴がひそんでいるかもしれねーんだぞ。奴の手にかかって一体どれだけ幕吏がやられたと思ってんだ」

「そーだそーだ死ね山崎」

「どーいう話の流れ！？」



言われてみれば、最近起こった過激なテロのほぼ全ては高杉が関わっているという話が出ていたような。

打倒幕府と考えているわけでもない。彼は一体何を考えているのだろう。テロリストの考えなんて私には皆目見当もつかない。


そんな時、不意に大きな音が響いてきた。空に咲いたそれから花火だと分かったが、確か江戸一番のカラクリ技師が携わっているのだとか。


三人で空を見上げつつ、お好み焼きを諦めた私は最後の一個となったベビーカステラを食べた。


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