第三十七話. ページ38
異能力__________雪国
“悲しいほど美しい声”
Aちゃんの異能は、Aちゃんへの呪いだった
“悲しいほど美しい声”
其れは他者を護り救済し、幸を
彼女が今其の異能を解禁しようとした理由はきっと単純
此の先、漆黒の経歴を持つ彼が苦しまない様に救済の道を考えたのだろう
“太宰くん”
今回の計画には
だが少し読みを外して仕舞ったのだろう……真逆
Aちゃんを此処、ポートマフィアに置き去りにするとは思わなかった
確かにAちゃんは娘の様に大切な存在だが、彼女に必要なのは太宰くんだ
永遠の孤独と歩み進むと思って居た彼女にとって太宰くんは
唯一同じ闇を知る、云わば道標で在り又、直接心に触れる事すらも許している
其れほどに信頼していた相手
いくら闇を彷徨い歩むとは云え、同じ境遇では信頼に値する存在
つまり、心の拠り所だった訳だ
『……森さん』
「Aちゃん、気持ちは判るが使っては成らないよ」
『治くん、ずっと私の事…嫌いだったのかなぁ、』
吐き捨てる様に呟く彼女を見て、自身の企てた事であっても怒りがふつふつと沸いて来る
太宰くん、君なら彼女を連れて行ってくれると思っていたよ
君なら彼女を、君だから彼女を“光”の道へ_____
「太宰くんが憎いかい?」
『憎んで、憎んで其の憎しみを糧に出来たのならどれ程幸せかな』
虚ろな瞳はより一層の闇を取り入れ纏う
堕ちるところ迄、堕ちて仕舞ったのか
「いつか、其の時が来た時…君は自身で太宰くんを殺すだろう」
『…私が太宰さんを護る存在として相応しく無いのなら私は』
『太宰さんの愛する此の街を護る存在になります。
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凜(プロフ) - 伊月さん» コメントありがとうございます!物語の構成は創る以前に練った部分もあるのでお気付きになって貰えて嬉しいばかりです……!深夜帯の方が泣ける可能性何故か高いですよね、笑今度も精進して参ります!本当にありがとうございます! (2021年10月21日 21時) (レス) id: da98b739f5 (このIDを非表示/違反報告)
伊月 - 物凄くよかったです!文体がめちゃくちゃ私好みな上、物語の構成がもう涙しか誘わない...泣けなかったけどもw 深夜に読んでこっそり泣こうかな。表現とかもすごく綺麗で、とても参考になりました。漢字沢山使ってて文ストっぽくて好きです!活動応援してますね! (2021年10月18日 12時) (レス) @page50 id: db73aa45c7 (このIDを非表示/違反報告)
凜(プロフ) - まるさん» コメントありがとうございます!神作だなんて私には勿体ない程ありがたいお言葉を頂いてしまって……、、文才ももう褒めてもらえて幸せでいっぱいです!私もそのように優しい主様に出会えて良かったです!ありがとうございます…! (2021年10月6日 0時) (レス) id: da98b739f5 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - いや、真面目に泣きました。神作過ぎます、、、、、こんなの見れて今日は私の命日なのかな?感動しましたし、作者さまの文才が凄いですね!こんな神作、もう出会えないかも知れない。出会えて良かった、、、、、 (2021年10月4日 23時) (レス) @page49 id: 2eb070a2f9 (このIDを非表示/違反報告)
凜(プロフ) - れなさん» コメントありがとうございます!そのような嬉しいお言葉をいただけて私も幸せですし泣きそうです…、感動できる作品創りを心掛けて居るので良かったです…!本当にありがとうございます! (2021年9月23日 20時) (レス) id: da98b739f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凜 | 作成日時:2021年5月28日 21時