第三十四話. ページ35
最初は、Aちゃんも連れて行くつもりだった
織田作が死んだ今、私は織田作の遺言に忠実に従い遂行してみると云う決断をした
其れでも私がAちゃんを置いて行くと決めたのには大きな理由が在った
彼の日、中也が現れた日
Aちゃんを救えるのは私では無く中也だと確信したから
そう、私では無力だから_____
「済まないね、Aちゃん。こんな私を許しては成らないよ。恨んでくれ給え」
唯理由を言わずに此処を去ればAちゃんはきっと私を探すだろう
だから、突き放す必要が在る
私は自身が使用して来た執務室に一枚の
“
『治くん、今日の殲滅私も……治くん?』
朝、私が最年少幹部と云う肩書きを持った彼の執務室へ足を運ぶと其の姿は無く
室内は、蛻の殻となって居た
先に出て仕舞ったのだろうか、静まり返った其の部屋には私の呼び声のみがそっと木霊する
『でも、こんな早朝に何処に行ったんだろう…』
何故だか、厭な予感がした
もう二度と会えない様な、どうにももどかしい胸騒ぎが立ち尽くす私を締め付ける
『…………あ、』
ふと目に止まったのは、机上の一枚の紙
何か手掛りが在るのでは無いか、微かな期待を胸に其の紙を手に取った
どうやら書翰の様だ
表紙には宛名…私に向けてだった
早まる鼓動に気が付かない振りをして、私は其の書翰を開いた
其処に書かれて居たのは、此れ迄の日々を全て洗い流し黒く染める様な内容だった
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凜(プロフ) - 伊月さん» コメントありがとうございます!物語の構成は創る以前に練った部分もあるのでお気付きになって貰えて嬉しいばかりです……!深夜帯の方が泣ける可能性何故か高いですよね、笑今度も精進して参ります!本当にありがとうございます! (2021年10月21日 21時) (レス) id: da98b739f5 (このIDを非表示/違反報告)
伊月 - 物凄くよかったです!文体がめちゃくちゃ私好みな上、物語の構成がもう涙しか誘わない...泣けなかったけどもw 深夜に読んでこっそり泣こうかな。表現とかもすごく綺麗で、とても参考になりました。漢字沢山使ってて文ストっぽくて好きです!活動応援してますね! (2021年10月18日 12時) (レス) @page50 id: db73aa45c7 (このIDを非表示/違反報告)
凜(プロフ) - まるさん» コメントありがとうございます!神作だなんて私には勿体ない程ありがたいお言葉を頂いてしまって……、、文才ももう褒めてもらえて幸せでいっぱいです!私もそのように優しい主様に出会えて良かったです!ありがとうございます…! (2021年10月6日 0時) (レス) id: da98b739f5 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - いや、真面目に泣きました。神作過ぎます、、、、、こんなの見れて今日は私の命日なのかな?感動しましたし、作者さまの文才が凄いですね!こんな神作、もう出会えないかも知れない。出会えて良かった、、、、、 (2021年10月4日 23時) (レス) @page49 id: 2eb070a2f9 (このIDを非表示/違反報告)
凜(プロフ) - れなさん» コメントありがとうございます!そのような嬉しいお言葉をいただけて私も幸せですし泣きそうです…、感動できる作品創りを心掛けて居るので良かったです…!本当にありがとうございます! (2021年9月23日 20時) (レス) id: da98b739f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凜 | 作成日時:2021年5月28日 21時