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2. ページ30

触れるべきか否かチラチラ布団を見ていると


「あ…あれは、あのアホが置いて行っただけだ
何でもない、気にするな」


ため息交じりに答えてくれた。


「カルエゴ先生、すごくお疲れだから
きっと、ロビン先生も気を遣われたんですね」

「疲れてなどおらん」


「そうですか?
顔色悪いですよ、とっても

ずっと怒鳴ってたんでしょう?」


「ああ、こんな時間か
チッ
あのアホ新任のおかげで…」


はた、と動きを止めて


「知っていて来たのか…?」


「え…っと
さっきダリ先生たちに聞いて

ロビン先生すごく集中するタイプで、しかも元気な方なので
カルエゴ先生、引き際が分かんないんじゃないかなって」



愛想笑いすると、先生は一つため息をついた。



「分かった…
もういい。貴様も帰れ

残りの仕事を片付ける」


目の下のクマも濃い
本当にすごく顔色が悪いのに、まだ仕事をしようとする先生が心配になって


「でも、せっかくだから少し休まれたら…

このお花、とっても癒される香りですよ
リラックス効果とかあるんじゃないですか?」


お布団にくっつけてあったお花の花びらを一つ取り、立ち上がろうとしたカルエゴ先生に差し出した。


「ほら、イイ香――…」


突然、目の前が真っ暗になり、ずっしりと重みに耐えきれなくなって倒れ込んだ


床はふかふかで痛みはほとんどなくて、
というか、覆い被さっているカルエゴ先生に支えられ衝撃は和らいでいた。


布団に押し倒されているのだとわかって、全身に熱が駆け巡る。

口がパクパクするだけで声が出せずにいたら


「すま、ん
力が抜け…、眠気が…

ふ…、その、花か…」


「へ…」


ビ、ビックリしたー…

この花、眠気を誘う花なんだ

カルエゴ先生といえども何時間も香りを嗅いでたから…


「6分、寝る…
貴様、は…帰…」


力を振り絞って体勢を変え、横になった先生は、おでこに手をやり目を閉じた。


6分って…

フフッと笑って、滅多に拝めないであろう先生の寝顔をまじまじと見る


おでこに乗った骨ばった手の下からは
クセのある髪が覗き

鼻筋の通った彫りの深い顔は

いつもはシワを寄せている眉間も緩められ、起きてる時には絶対に見せない穏やかなものだった。


こんな顔が見られるなんて、私すごい運がイイよ〜

何なら写真を撮っておこう、としたところで視界がぼやけ意識は途絶えた。

3.→←先生といっしょ♪



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雪猫 - あー!!もうきゅんきゅんがたまりません!更新頑張って下さい!応援してます! (2020年5月10日 1時) (レス) id: 07da1e2227 (このIDを非表示/違反報告)
畢竟無(プロフ) - えギー先生は夢主ちゃんの気持ちに早く気づいてあげてwwwwオペラさんは自重してwwwww面白かったです!応援してます! (2020年5月9日 14時) (レス) id: f1eda83896 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:周杜(シュウト) | 作成日時:2020年5月6日 13時

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